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2015年2月14日(土)

安保法制 自公が協議再開

米軍のあらゆる戦争に参加

派兵恒久法 武器使用の拡大も

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 自民、公明の与党は13日、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」(昨年7月1日)を具体化する安全保障法制の整備に向けて、約7カ月ぶりに協議を再開しました。「閣議決定」が強調する「いかなる事態においても」「切れ目のない対応を可能とする法制」の全体像とは―。


 「閣議決定」は大別して2本の柱で、米国のあらゆる戦争に自衛隊が参戦できる態勢を構築するものです。

 第一が、集団的自衛権の行使によるもの。「閣議決定」がいくら「憲法9条で許容される自衛の措置」と取り繕っても、集団的自衛権の本質は他国の防衛です。行使容認で、海外か日本近辺かを問わず、戦争状態(有事)にある米軍と一体の武力行使が可能に。行使できる事態を「存立事態」として自衛隊法などに新たに書き込むことを狙っています。

 また、米国が攻撃を受けていない場合でも、政府は「後方支援」によって米軍をはじめ、他国軍の戦闘を支援する海外派兵恒久法の制定を狙っています。

 「閣議決定」はこれまでのイラク戦争やアフガン戦争派兵時の特措法に定められてきた「非戦闘地域」の歯止めを撤廃。安倍晋三首相は後方支援に従事する自衛隊が攻撃されれば、応戦する可能性を認めており、「戦地」派兵で戦闘に巻き込まれる危険は格段に増します。

 「閣議決定」のもう一つの狙いは、平時と有事の垣根を取り払い、「切れ目のない」自動的な戦闘参加と米軍防護の仕組みを構築することです。

 米艦船などを平時から有事まで「切れ目なく」防護するため、自衛隊の装備・施設を破壊・奪取から守るための規定(自衛隊法95条の武器等防護)を、「閣議決定」にも記載がなかった米軍以外の他国軍にまで拡大する法改悪が検討されています。

 自衛隊が平時から米艦への危害に反攻することになれば、内閣の決定や国会の承認も経ずに、米国の武力衝突に引きずり込まれる危険があります。

 「離島防衛」への対処を口実に、自衛隊を平時から治安維持活動(海上警備行動・治安出動)へ出動させる手続きの簡素化も検討。自公は13日の協議で、電話了解で出動の閣議決定を迅速化することで合意しました。

 PKO(国連平和維持活動)の分野でも、他国要員などが襲撃された場合に助けに行く「駆けつけ警護」を可能にするため、武器使用の権限を拡大します。

 安保法制は憲法9条の制約をことごとく取り払い、米国と肩を並べて海外で戦争する体制をつくるものです。 (池田晋)

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