2015年2月14日(土)
「残業代ゼロ」制度を建議
労政審 労働者側の反対押し切る
労働時間制度の見直しを議論してきた労働政策審議会労働条件分科会が13日、厚生労働省で開かれ、労働者代表の反対を押し切って、過労死を増加させる「残業代ゼロ」制度である「高度プロフェッショナル制度」の創設などを求める報告をとりまとめ、塩崎恭久厚労相に建議しました。安倍内閣は、今通常国会に2016年4月の施行にむけた労働基準法改悪法案を提出し、成立をねらっています。
「高度プロフェッショナル制度」の対象業務として「高度の専門的知識、技術又は経験を要する」「業務に従事した時間と成果との関連性が強くない」業務とし、対象労働者の年収額は、1075万円を参考として省令で決めるとしました。
あわせて、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大と手続きの簡素化、フレックスタイム制の清算期間を1カ月から3カ月に延長する改悪を盛り込んでいます。
報告は、労働者代表による、裁量労働制の見直し、「高度プロフェッショナル制度」の創設は認められないとする反対意見を明記。一方、「高度プロフェッショナル制度」について、使用者代表の「幅広い労働者が対象となることが望ましい」とする意見が入り、さらなる対象拡大を求めました。
分科会で労働者側は、「報告の肝にあたる部分で反対(の意見)を書かざるをえなかった。労働側の意見を押し切る形で報告がとりまとめられたことは極めて遺憾だ」(連合・新谷信幸総合労働局長)と表明しました。