2015年2月14日(土)
安保法制 与党協議開始、3月中に結論
「戦争する国」へ14法案検討
自民、公明両党は13日、「安全保障法制整備に関する与党協議会」(座長・高村正彦自民党副総裁)の会合を国会内で開き、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」(昨年7月1日)を具体化する法案取りまとめに向けた協議を開始しました。政府・与党はいっせい地方選への影響をおそれ、法案の国会提出を5月の連休明けとする予定。6月24日までの通常国会の会期を大幅延長して強引に押し通すことを狙っています。 (関連記事)
座長の高村氏は冒頭で、「閣議決定は基本設計みたいなもの。国会に具体的な法案を出すには、実施設計が必要だ」と与党協議が具体化の場となる考えを示し、「3月中のそれほど遅くない時期にまとめる」と述べました。公明党の北側一雄副代表は、集団的自衛権行使、他国軍隊への支援、武力攻撃に至らない事態での対応は、「密接に関連する事柄であり、全体としてパッケージとして合意する」と述べました。
法案は「閣議決定」にもとづく一括の内閣提出法案としてまとめられる予定で、参加した政府側は自衛隊法や周辺事態法など少なくとも14の法律についての改定が必要だと説明しました。
13日の会合で政府側は、武力攻撃に至らない事態(グレーゾーン)への対処として、自衛隊が自らの武器を防護するための武器使用の規定(自衛隊法95条)を、米軍以外の他国軍防護にも転用するための法整備を求めました。
しかし、そもそも自衛隊の武器防護の規定を、米軍など他国部隊の防護のために使うこと自体が重大問題です。この日の政府資料は米軍を「自衛隊の武器等に相当する重要な物的手段」としましたが、米軍は米国の軍隊であり、実力も戦略的位置づけもまったく異なります。
過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件の検証も進んでいない中、米国の戦争に参加・支援する体制を整備することに対し、国民の不安と批判はますます強まっています。