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2015年2月13日(金)

きょうの潮流

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 ドーム屋根の壮麗さが目を引くベルリン大聖堂。第2次世界大戦で大きな被害を受けましたが、年月をかけて現在の姿を取り戻しました。復興の象徴となった場所で、ドイツ・ワイツゼッカー元大統領の追悼式は行われました▼国内外から尊敬を集めた人らしく、大勢の各国首脳らが参列。死を悼む声はドイツ市民だけでなく、世界中にひろがります。ガウク現大統領は「人々が過去を直視し、未来を見据えられるようにした」と功績をたたえました▼真実を重ねた言葉の力を信じた人でした。あの終戦40周年の名演説も、ナチズムの暴力支配によって苦しめられた無数の犠牲者を、悲嘆のうちに思い浮かべたものでした▼「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、また同じ危険に陥りやすい」。この言葉もまた、人間として心からの和解をもとめるにはどうすればいいか。それを問いかけたものでしょう▼同じ責任を背負いながら、こうも違うものか。比ぶべくもありませんが、安倍首相の施政方針演説を聞きながら思ってしまいます。戦後70年の節目にあたる国会で「日本は変えられる」「戦後以来の大改革」とたんかを切るばかり。過ちをどう反省し、そこから何を学び生かすか。そんな姿勢はまったくみられませんでした▼内外の声に耳を傾け、若い人たちに寛容と共生を説いたワイツゼッカー。生前、来日したときの演説でこんな言葉も残しています。「過去を否定する者は過去をくり返す」


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