2015年2月7日(土)
特養は6%削減
厚労省 介護報酬改定案を決定
厚生労働省は6日、介護保険サービスごとに事業者に支払われる介護報酬の改定案を社会保障審議会介護給付費分科会で決定しました。特別養護老人ホーム(特養)や通所介護(デイサービス)などに対する報酬を大幅に引き下げるなど、安心できる介護を願う国民の願いに逆行する内容です。
特養の基本報酬は、報酬全体の引き下げ幅2・27%の倍以上にあたる約6%もの大幅引き下げを行います。特養の3割が赤字経営で、入所待機者が52万人にのぼるもとでの切り下げで、「介護崩壊」に拍車をかけるものです。
特養の相部屋の入居者に対して部屋代を新たに徴収します。負担は日額470円、月額1万4100円となります。
施設以外でも、通所介護の小規模事業所が最大で9%削減。要支援者向けでは、訪問介護を約5%削減し、通所介護は約20%も引き下げます。4月開始となる市町村事業への要支援サービス移行を加速させる狙いです。
一方、介護職員の処遇改善加算については拡充します。加算によって1人あたり月額1万2000円の賃上げになるとしていますが、事業所に対する基本報酬引き下げが労働者にしわ寄せされる問題が指摘されています。
また、“施設から在宅へ”という方針の下に、訪問介護で重度の要介護者への対応に上乗せが行われます。1日複数回訪問する「24時間定期巡回サービス」や、通いと訪問・宿泊を組み合わせた小規模多機能サービスを拡充します。
介護報酬は3年に1回改定。今回の改定は、単年度で引き下げ幅が最大となった03年度の2・3%減に続く切り下げです。