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2015年2月5日(木)

きょうの潮流

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 長く自衛隊を取材している他紙のベテラン記者が、自衛隊のイラク派兵について興味深い話をしていました。迷彩服の仕様が他国と全く異なっていたそうです▼戦場で相手に狙われないようにするため、周囲の景色と同化させるのが迷彩服です。イラクは砂漠地帯のため、米軍などはグレーやベージュ色を採用していました。ところが自衛隊の迷彩服は緑色で、胸に日の丸までつけて、あえて目立たせていました▼これには理由がありました。自衛隊は憲法上、武力行使には参加せず、イラク「復興支援」に限った派兵という建前でした。だから「自分たちは戦争をしにきたのではない」とアピールするためだったというのです▼イラクで多国籍軍は5000人近い戦死者を出しましたが、自衛隊は1人も命を落としませんでした。「日本人であること」が結果として彼らの身を守ったのです▼しかし、このイラク派兵を機に「平和国家・日本」のブランドが揺らぎ、過激武装勢力は米英などと同じ敵とみなすようになります。日本の民間人が戦闘やテロに巻き込まれ、命を落とす事件が相次ぎました。その延長線上に、今回の「イスラム国」による犯行がありました▼いま、中東地域の日本人は新たなテロにおびえ、イラクの自衛隊員とは逆に「日本人であること」を隠さざるをえなくなっています。安倍晋三首相は「国民の生命と財産を守る」ためとして9条改憲に言及しましたが、このような考えこそ、国民の生命と財産を危険にさらすものです。


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