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2015年2月4日(水)

きょうの潮流

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 同僚記者が話題の本を読んでいました。ピケティ著『21世紀の資本』です。700ページをこす分厚い経済書を抱えながら「つまみ読みだよ」▼普段ならば手を出すこともはばかれる専門書がいま飛ぶように売れています。本屋には特設コーナーがつくられ、入門書や解説本まで。世界で150万部のベストセラーとなり、日本でも驚異的な売れ行きをみせています▼なぜ、これほど注目されるのか。歴史的なデータをもとに、資本主義における富の分配と格差拡大を掘り下げた同書。そのテーマ自体が、不平等がひろがる現代社会に生きる人びとの関心と共感を呼んでいるのでしょう▼1%の富裕層の富が世界の富の半分近くを占めている。貧困と不正を根絶するための国際援助団体が先月公表した報告書で指摘しています。わずか80人の億万長者が保有する富はこの5年間で倍加、昨年は貧しい50%の人たちの富の総計を上回った、と▼先進国のなかでも日本は深刻です。「貧困世帯」は過去最悪。非正規雇用が増えて働く貧困層がひろがり、アベノミクスの影響で大企業や資産家に富が集中しています。来日したピケティ氏の周りには格差から抜け出る道を模索している若者が目立ちました▼テロの温床にもなっている貧困と格差。ユニセフの調査では全世界の12〜15歳の子どもの5人に1人が学校に通えていないとか。飢えや病気も蔓延(まんえん)しています。このまま現状に甘んじていたら、世界はどうなってしまうのか。“ピケティ・ブーム”の警告です。


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