2015年2月2日(月)
日本人人質事件
検証結果を公表へ
菅官房長官 首相演説など焦点
過激組織「イスラム国」による日本人人質事件が最悪の結果を迎えたことを受けて、日本政府の対応についての検証が求められています。
菅義偉官房長官も1日午前の記者会見で、政府の一連の対応について、政府内で検証し、その結果を有識者に委ねた上で、検証結果を公表する考えを示しました。
2003年に米英主導のイラク戦争が始まり、日本も自衛隊をイラクに派兵した時期から、中東地域で日本人が標的とされ、殺害されるケースが相次いでいます。
「イスラム国」は、後藤さん殺害を示した最新の画像で、日本人へのさらなるテロ行為にも言及しています。国内外の邦人の安全確保を徹底するとともに、今後さらなる悲劇を生まないためにも、政府対応の検証は不可欠です。
菅氏は今回の事件に関連し、「邦人保護を考えたときに、まず政府内で検証を行う必要があると考えている」と述べた上で、「(政府)部内でやって、その後いわゆる有識者の方に良かったのかどうかも含めてそこは考える必要があると思っている。(公表は)それ以降のことだと思う」と語りました。
1月20日に後藤健二さん、湯川遥菜(はるな)さんの殺害を警告するメッセージが確認されて以来、政府は「人命尊重」の観点から、現地対策本部を置くヨルダン政府と連携して対応してきました。
国会では、20日以降の対応に加え、湯川さん、後藤さんの拘束を政府が昨年8月、10月にすでに把握していたことや、その時点での対応、「イスラム国」が殺害警告の口実とした安倍晋三首相の中東政策スピーチ(1月17日)の妥当性などについて質疑も行われています。人質事件が発生したことを把握しているにもかかわらず、中東訪問に踏み切ったことへの疑問の声も上がっています。
冷静な検証を行うためにも、政府には必要不可欠な情報の公開が求められています。