2015年1月30日(金)
生活保護プリペイドカード化
厚労省に全生連が中止要望
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橋下徹大阪市長が生活保護費の一部をプリペイドカードで支給するモデル事業の実施を表明したのを受け、全国生活と健康を守る会連合会(安形義弘会長)は29日、厚生労働省に事業を中止させることや他の自治体へ拡大させないことなどを要望しました。
大阪市は家計管理のためとして、2月から希望する世帯を対象にモデル事業を開始し、2016年度にも本格導入するとしています。
安形会長は「プリペイドカードは人権の問題であり、命に直結するもの。金銭給付を原則とする生活保護法31条に照らしても問題だ」と訴えました。
同省担当者は、カード支給は生活扶助の一部で、本人の同意を得た上で行う家計支援の一つだと大阪市の言い分を説明。「省として特段の問題があるとは考えない。一つの方策として注視している」として、他の自治体への波及も見ていきたいと述べました。
全大阪生活と健康を守る会連合会の大口耕吉郎会長は、保護利用者の多くが使う小売店や安売りスーパーはプリペイドカードの導入を拒否している実態を告発。「本格実施にあたってはカード利用を強制するのではないか」と危惧を表明しました。
参加者からは「金銭管理能力のない人がカードを希望するとは思えない。こうした人に対してはむしろ、専門性を持ってきめ細やかな支援する必要がある」などの声が上がりました。
全生連はこの他、住宅扶助基準と冬季加算引き下げの中止と夏季加算の実施を求めました。