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2015年1月27日(火)

安倍首相と橋下市長

改憲・「都」構想で連携

住民投票なら国政影響も

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 大阪市を廃止する「大阪都」構想と改憲をめぐって、橋下徹大阪市長ら大阪側の維新の党と安倍晋三首相の官邸との連携ぶりが目立っています。5月17日に大阪市で実施される可能性が高まっている「都」構想の賛否を問う住民投票が、国政にも重大な意味を持ち始めています。(藤原直)

 「都構想に意義があると総理が言われたのは、僕はうれしくてしょうがなかった」。橋下氏は15日の会見でこう述べました。14日の関西テレビの番組で安倍首相が「都」構想について「二重行政をなくし住民自治を拡大していく意義はある」と語ったことへの反応です。

 首相は「大阪の議会、住民が決めること」と断ってはいるものの、大阪の自民党が「百害あって一利なし」と「都」構想に反対の宣伝を強めようとしている中での発言です。

官邸の助け舟か

 番組で首相が改憲に向けた維新の協力に期待感を示したことに対しても、橋下氏は敏感に反応。「総理がチャレンジされるのであればすごいことだ」「できることは何でもしたい」(15日)と全面的に協力する意向を表明しました。松井一郎府知事も16日、9条改憲に前向きな姿勢を表明しました。

 橋下氏の「憲法改正は絶対必要。ぜひ(安倍)総理に実現してもらいたい」(15日)という姿勢は、同じく改憲を目指す民主党の代表になった岡田克也氏が「安倍政権の下で9条を議論することには反対だ」(16日、テレビ朝日番組)と語ってきたのと比べても際立っています。

 「都」構想をめぐっては、昨年末に公明党が住民投票の実施までは維新に協力する方針に転換しました。

 大阪の公明党幹部が創価学会本部に呼ばれて方針転換を促されたことや、菅義偉官房長官が関わっているとの公明関係者の証言、「憲法改正を見据え、菅氏は維新を離したくないのだろう」との維新関係者の話が報じられています(「毎日」昨年12月31日付)。安倍首相は官邸の関与を否定していますが、この間の動きを見れば、改憲に向けた協力体制の構築を視野に橋下氏に助け舟を出しているのは明らかです。

 安倍政権と維新との具体的な連携事項として浮上しているのが、26日召集の通常国会で政府が整備を目指す安全保障法制です。

今年最大の政局

 前出の関西テレビの番組で首相をインタビューした青山繁晴氏(独立総合研究所社長)は21日の番組で、政権中枢の人物が大阪市での5月17日の住民投票について「ことし最大の政局だ」と語ったと紹介。住民投票で「都」構想が承認されたなら、安倍政権はそれをテコに維新と連携し、「安全保障の法改正」をめぐり、6月の国会会期末に向けて公明党の発言権を抑えるとの見方を示しました。

 一方、橋下氏は、住民投票で否定されたら、12月の市長任期を満了した上で「政治家を辞める」と表明しています。

 大阪市をつぶし、暮らしを破壊する「都」構想が、4月の大阪市議選・府議選をはじめとする住民の判断で否定されるなら、橋下・維新政治の退場、暮らし第一の大阪への道を開くだけではありません。安倍政権の「戦争する国」づくりにも打撃を与える可能性があります。


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