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2015年1月23日(金)

介護サービス低下招く

報酬 2.27%大幅カット

人員確保に逆行

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 安倍内閣は、2015年度から介護報酬(介護サービスの公定価格)を全体で2・27%引き下げます。実質0・8%減だった前回12年度に続く連続削減で、単年度で最大となった03年度の2・3%減に匹敵する大幅な切り下げです。

危機的な状況に

 介護職員の処遇改善(1・65%)、認知症・中重度者対応の加算(0・56%)を加えた上での介護報酬削減であり、削減部分は実質4・48%もの大幅引き下げとなります。

 今後については、すでに特別養護老人ホームや小規模デイサービスの基本報酬引き下げなどが提案されています。これが実施されると多くの事業所の経営を直撃し、介護職員の労働条件や介護サービスの後退を招くことは必至です。

 全国老人福祉施設協議会は「現在でも赤字施設が3割近くに及ぶ特別養護老人ホームなどでは、やむなくボーナスカットや非正規雇用への切り替え、賃金水準の引き下げもあり得る危機的な状況に陥る恐れがある」と強調しています。

 厚労省は、「処遇改善加算」によって140万人(常勤換算)に月1万2000円程度の賃上げを見込んでいると説明しています。しかし、介護で働く事務職員や理学療法士など約70万人は対象外です。しかも加算を得られるのは、職務に応じた賃金体系や研修の実施、子育て支援など労働環境が整っている事業所だけ。今でも2割弱の事業所が加算を得られていません。

保険料は10%増

 厚労省は、現状の対応だけでは、介護職員が25年度に約30万人不足すると推計しており、人手確保にも逆行することになります。

 財務省は、報酬引き下げによって介護費を2400億円削減でき、利用者の負担軽減になるといいます。しかし、一方で保険料は10%もアップします。

 事業者団体などは「介護報酬全体の底上げこそ、処遇改善をはかる大前提である」(全日本民医連)として、公費負担の割合を増やすなど利用者負担とならないような手だてをとり、介護報酬を引き上げることを求めています。

 (岩間萌子)

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