2015年1月22日(木)
福島第1建屋周辺の処理地下水
海洋放出を認可
規制委
原子力規制委員会は21日の定例会合で、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の放射能汚染水の増加抑制のためとして、原子炉建屋周辺から地下水をくみ上げ、放射性物質を低減した後、海洋へ放出する計画を認可しました。しかし、風評被害などを心配する地元漁協などは計画に合意していません。
現在、原子炉建屋地下などに、地下水が流入し汚染水を増大させています。東電は、建屋周辺に設置したサブドレンと呼ばれる井戸から地下水をくみ上げ、建屋周辺の地下水水位を低下させ、建屋地下などに流入する汚染水の増大を抑える計画です。東電によれば、サブドレン内は事故で、放射性物質の汚染が認められています。このため放射性セシウム、ストロンチウムなどを低減させた後、海洋に放出する計画です。これによって、建屋に流入する地下水を現在の1日約300トンから、同約150トンに減らせるという試算をしています。
アルプス処理水も
一方、規制委は、高濃度汚染水を多核種除去設備(アルプス)で処理した水を海洋放出するなどとした福島第1原発の「中期的リスクの低減目標マップ案」をおおむね了承しました。アルプスは、増大する高濃度汚染水から放射性セシウムを取り除いた処理水から、さらにストロンチウムなどを取り除く装置。しかし、処理後もトリチウム(3重水素)は取り除くことができません。
海洋放出は案では2017年以降としていますが、委員から時期の前倒しを検討するよう求める声が出されました。また低減目標マップは定期的に見直していくとしています。