2015年1月21日(水)
2%以上賃上げ敵視
経団連、経労委報告を発表
経団連は20日、2015年春闘の経営側指針である「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)を発表しました。連合が要求する2%以上の賃上げ(ベースアップ=べア)について、消費税率引き上げ分の影響を除く物価上昇率は1%未満で推移しているとして、「納得性が高いとはいえない」と敵視。物価上昇による17カ月連続の実質賃金減少という現実をかえりみない主張を展開しました。
報告は、「賃金とは、月例賃金のみを指すのではなく、賞与などを含め、名称の別を問わず従業員に支払うすべて含めた多様なもの」と主張。「賃上げ=ベア」という単純なものではないとのべ、ベアはあくまでも「選択肢の一つ」としています。
そのうえで、定期昇給の実施、賞与・一時金への反映、諸手当の改定など「年収ベースの引き上げ」について検討することが望まれるとしました。
労働者全体の賃金を底上げする最低賃金の引き上げについて、「急激」すぎると批判しています。
また、正規と非正規雇用者の均等待遇について、「現実的ではない」との態度を示しました。
内部留保について、6ページにわたる「補論」をたて、「1998年度を起点とし、いずれの企業規模においても、利益剰余金の増加が確認できる」と認めました。しかし、「企業の競争力や成長力の低下をもたらす」などとのべ、内部留保の活用による賃上げを否定しました。