2015年1月20日(火)
公立学校 生徒の過半数が貧困
米民間団体調査
【ワシントン=島田峰隆】米国で公立の就学前教育と幼稚園から高校までの公立学校に通う生徒の過半数が、無料あるいは料金が割引された昼食サービスを利用しなければならない貧困状態にあることが明らかになりました。米民間団体「南部教育基金」(SEF)が16日に調査報告書を発表しました。
同基金は2012〜13年の1年間について、全米50州の公立学校に通う生徒の実態を調べました。その結果、米国全体の平均では、生徒の51%が家庭の貧困が原因で当局による昼食サービスを利用していました。
こうした生徒の割合は2000年には38%でしたが、年を追うごとに増え続け、今回初めて半数を超えました。
今回の調査では貧困状態の生徒が4割以上いる州は40に上りました。特に南部と西部で深刻で、最も高かった南部ミシシッピ州は71%に達しました。
SEFのケント・マグワイア会長は「調査結果は格差の拡大が続いていることを示している」と述べ、経済的繁栄を全国民に行き渡らせる政策を求めました。
SEFはこれまでも、子どもの貧困は経済格差を固定化すると指摘し、「公立学校に通う生徒の成否は国の将来の人材や力量を決める」「現在の傾向は衰退する国家への序章だ」と懸念を示してきました。