2015年1月20日(火)
小中学校統廃合押し付け
文科省が自治体向け「手引き」
文部科学省は19日、小・中学校の統廃合を進めるための自治体向けの「手引き」を中央教育審議会の分科会に示しました。6学級以下の小学校、3学級以下の中学校は速やかに統廃合を求めるなど統廃合を押し付ける内容です。
これまでは12〜18学級を標準とするものの、無理な統廃合をしないことや小規模校でも存続させることがのぞましいこともあるとしてきました。
「手引き」では、少子化を口実に統廃合に積極的に取り組むよう主張。一人ひとりに教員の目が行き届くなど小規模校の優れた面は後景に追いやり、「クラス替えができない」など“デメリット”を並べ立てて統廃合を求めています。
小中とも6学級以上が必要だと提起。さらに小学校12学級以上、中学校9学級以上が「望ましい」として、統廃合も含めて「デメリット策」の検討を強調しています。現在、11学級以下の小学校は46・5%、中学校は51・6%あります。
通学距離についても、小学校「4キロメートル以内」、中学校「6キロメートル以内」とする基準を撤廃し、距離にかかわらず「おおむね1時間以内」まで拡大し、統廃合推進のための見直しを提起しています。
一方で統廃合しない場合として、山間部や離島、豪雪地帯などを例示。小規模校の存続を狭めかねない内容です。
委員からは「無理に統廃合を進める必要はない」「小規模校のメリットを出し合って検討すべきだ」などの意見も出ました。
財務省は、全校が12学級以上になれば、5462校が削減できるなどとして統廃合をけしかけています。