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2015年1月19日(月)

きょうの潮流

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 露天風呂に山歩き、正確な鉄道と四季の自然、新鮮な魚料理や源氏物語。前駐日ドイツ大使のフォルカー・シュタンツェルさんが挙げた、もう一度日本で味わいたいことの例です▼昨年までの4年間、大使を務めたフォルカーさん。子どもの頃から日本に興味をもち、23歳の時に留学生として来日。ヒッチハイクで各地を旅しました。この国の文化や人間性にひかれ、ブログにつづった「大使日記」をもとに本を出しました▼関心を抱いたきっかけは学校で教わった原爆の悲惨さと反核運動でした。世界が反核平和で連帯するイースターデモを知り、自分も参加。広島や長崎にも足を運びました▼著書の中に「隣国と和解するということ」と題した文章があります。戦後、訪独したドゴール仏大統領は若者たちに「あなたたちと私たちの国の若い世代が、一緒に平和な将来をつくりなさい」と呼びかけました。そのとき“宿敵同士”も友人になれるんだと▼3年前の独仏和解50周年の記念式典。オランド仏大統領とメルケル独首相は、ドゴールが語りかけた同じ場所に立ち友情を認め合いました。先日も反テロのデモで腕を組む姿を示したばかりです▼ベルリンに住む日本人の知人は「日本とアジアでは見られない光景」と嘆きました。政権を担う者が歴史をゆがめ、隣国とまともな会話さえできない現実。誰もがナチスの蛮行や戦争への強い後悔と、和解を望んでいたというフォルカーさんの言葉に、その出発点にも立てない苦々しさが募ります。


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