2015年1月19日(月)
パチンコ店 ATM増加
全店舗の1割 依存症広げる危険
「客を深みにはめる」と批判されているパチンコ店内の銀行ATM(現金自動払い出し機)が950台まで増加し、全国に約1万1000店舗あるパチンコ店の1割近くにまで広がっていることが18日、本紙の調べでわかりました。(竹腰将弘)
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パチンコ店内にATMを設置しているのは、東証1部上場のIT関連企業「インターネットイニシアティブ」の子会社「トラストネットワークス」(東京都千代田区、竹村理会長)。同社と提携する東和銀行(本店・群馬県前橋市、吉永国光頭取)のATMを供与しています。
トラスト社のパチンコ店内ATMは関東、関西、九州地方を中心に設置がすすみ、昨年4月からは新たに東海地方の愛知、岐阜、三重の3県にも進出。同社によると昨年11月7日現在の設置数は950台だといいます。
パチンコ店内ATMは、持参した資金を使い果たした客がその場で金を引き出し、多額の金を使うことから、「のめり込み」と呼ばれるパチンコ依存症を広げる危険性が指摘されています。
「のめり込み」生むシステム
パチンコ店内の銀行ATMが、全国のパチンコ店の1割近くに設置されています。
設置しているトラスト社は「のめり込み対策」として、ATMに貸し出し機能はつけず、1人1日の引き出し額は3万円、1カ月の引き出し額は15万円までという制限などを設けることで、「抑制機能」をつけたと主張しています。
インターネットイニシアティブ社は2009年の投資家向け事業説明で、同年3月に150台だったパチンコ店内ATMを「今後4〜5年間程度で約8000台」に拡大するという目標を提示。しかし、同年11月から本紙が、この問題を連続して報じたことを機に社会的批判が強まり、東和銀行は事業からの撤退を表明、ほぼ1年間にわたって新たな設置はストップしました。
その後トラスト社は、新たに1カ月の引き出し額の制限を設けることでパチンコ業界の了承をとりつけ、ATM設置を再び拡大してきました。
トラスト社の話 パチンコホールの周辺には利用上限がなく、クレジットカードも利用できるものなど複数の決済サービスがある。当社の「抑制機能付きATM」が最ものめり込み対策に向き合っている。