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2015年1月15日(木)

社会保障削り 軍事費最大 15年度政府予算案 閣議決定

大企業に減税 格差拡大

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 安倍晋三内閣は14日、2015年度政府予算案を閣議決定しました。国の基本的な予算規模を示す一般会計の総額は、14年度当初比0・5%増の96兆3420億円と過去最大になりました。社会保障に切り込む一方、軍事費は過去最大に膨張。日本共産党の山下芳生書記局長は同日、「反国民的な政策を強行しようとする重大な予算案である」と批判する談話を発表しました。


 歳入には、国民の負担で大企業を優遇する安倍内閣の暴走姿勢が露骨に表れました。税収は4兆5240億円の増加を見込みます。最大の要因は、消費税収が14年度比1兆7730億円増の17兆1120億円に達すること。納税時期のずれにより8%への消費税増税分が15年度に満額になるためです。税目別で消費税収が2年連続の最多額となります。一方、法人実効税率を2年間で3・29%引き下げ、黒字の大企業に約1兆6千億円もの減税をばらまきます。

 歳出では、手当たり次第に社会保障を切り下げます。公的介護を担う事業者への介護報酬は2・27%減額。生活保護も家賃にあたる住宅扶助費と防寒費にあたる冬季加算を削ります。協会けんぽへの国庫補助も削減。これらだけで自然増分を1700億円削ります。

 加えて、生活保護の日常生活費である生活扶助費も13年度から3年連続の減額。年金額については、物価・賃金の上昇に応じた増率を2・4%と見込みながら、1%増に抑制して実質的に大幅削減します。8月以降、介護保険の利用料を所得に応じて1割から2割にアップ。70〜74歳の患者負担は新たに70歳になる人から順次2割に倍増します。貧困と格差を激しく拡大するものです。

 米軍とともに「海外で戦争する国」づくりにまい進する姿勢も鮮明です。垂直離着陸機V22オスプレイ5機の購入など、軍事費は3年連続で増加。史上最大の4兆9801億円に膨らみました。14年度補正予算案と合わせて5兆円を超します。沖縄県名護市辺野古への新基地建設費は14年度比80倍以上(契約ベース)に増やしました。

 「原発ゼロ」の世論に背いて原子力発電所の再稼働に突き進みます。「原発施設立地地域基盤整備支援事業」を8億円から23億円に増やし、原発を再稼働した場合に限って交付金を配る新たな枠組みをつくります。

 雇用分野では、雇用維持に貢献する「雇用調整助成金」を3分の1に激減させ、リストラを支援する「労働移動支援助成金」を48億円増額しました。

 公共事業費は14年度とほぼ同水準ですが、不要不急の三大都市圏環状道路(14年度比1%増の2379億円)、国際コンテナ戦略港湾の機能強化(同12%増の687億円)などを積み増しました。


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2015年度政府予算案について

山下書記局長が談話

 日本共産党の山下芳生書記局長は14日、2015年度政府予算案について次の談話を発表しました。

 安倍晋三内閣が本日閣議決定した2015年度政府予算案は、消費税増税後の景気悪化で苦しむ国民に、社会保障改悪など負担の追い打ちをかける一方で、大企業減税や軍拡をさらにおしすすめるものである。総選挙が終わった途端に、「勝てば官軍」とばかりに、反国民的な政策を強行しようとする重大な予算案である。

 政府は、「社会保障のため」といって消費税を増税しておきながら、昨年の「骨太の方針」で打ち出した社会保障予算の自然増削減方針にもとづいて、全面的な改悪に乗り出した。マクロ経済スライドの発動による年金削減をはじめ、高齢者医療の窓口負担増、介護の利用料引き上げ、介護報酬の大幅削減、生活保護では生活扶助費に続いて住宅扶助や冬季加算の削減まで盛り込むという、まさに、国民を寒風にさらす予算案である。

 大型開発の公共事業には重点的に予算を配分し、原発推進予算を温存する一方、雇用対策や中小企業、農業、教育予算などはまったく不十分で、暮らしを犠牲にし、格差をいっそう拡大する予算案である。

 円安で史上最高の利益を上げている大企業には、法人実効税率を2年間で3・29%引き下げ、1・6兆円もの減税を実施しようとしている。安倍首相は「大企業をもうけさせれば国民も潤う」という破綻した“トリクルダウン”路線にしがみついているが、減税しても大企業の巨額の内部留保をさらに増やすだけであり、賃上げなどにつながる保証はまったくない。

 軍事費は4兆9801億円と史上最高となり、14年度補正予算を合わせれば5兆円を超えた。ステルス戦闘機F35、イージス艦、オスプレイなど、「戦争する国づくり」をいっそう強力に推進するものとなっている。沖縄県民の民意を踏みにじり、辺野古新基地建設を強行するために工事費を前年の80倍以上(契約ベース)も計上したことは断じて許されない。

 与党の「安定多数」は、小選挙区制によって生じた「虚構の多数」にすぎず、国民は決して安倍政権に「白紙委任」をしたわけではない。日本共産党は、安倍内閣の暴走予算にきっぱり対決し、国会内外で国民の皆さんと力を合わせて、くらしと平和をまもるために、予算の抜本的な組み替えを要求してたたかうものである。

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