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2015年1月13日(火)

きょうの潮流

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 時計の上に立ち核の時代を暗示する人型や、平和を描くペンキ職人の絵。70年前の学童疎開の切り絵。絶妙なバランスを保つ「9」をイメージした造形。いま東京都美術館で開かれている「九条美術展」の作品です▼私たち美術にかかわるものにとって、平和と自由はかけがえのない表現の保障―。憲法九条への思いをこめたこの美術展は、今回で4回目。約270点の作品には、平穏な社会が脅かされている危機感が表れています▼前回よりも出品数は大幅に増えました。「九条を守ろうという強い意志が多くの作品から漂っている。具象より抽象的なものが多いのは、いまの状況に対する不信や不安の表れではないか」。事務局の十滝歌喜さんはいいます▼鉄の鎖につながれたジュゴンの絵を出品した画家の池田龍雄さんは、美術展にこんなメッセージを寄せています。「我ら美術家が守るべきものは、そこに記されている言葉ではない。真に平和を願う深い心、外圧に屈せず、冒されない、純粋な精神だ」▼「九条美術の会」の発起人の一人で、無言館館主の窪島誠一郎さんは本紙文化欄で語っています。「美術家たちは表現することによって九条の有難さを享受している」。そして、改憲によって阻害されるであろう自らの表現を、自らの作品で死守するために行動を起こしたと▼一つ一つの作品をゆっくりと見つめる人たち。改憲を「歴史的チャレンジ」と呼んで執念を燃やす首相のもとで、九条への深く静かな思いがひろがっていきます。


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