2015年1月13日(火)
仏400万人 テロに抗議 銃撃犠牲者追悼
「反イスラムにノー」の声も
【パリ=島崎桂】風刺週刊紙シャルリー・エブド本社への銃撃に始まる連続テロ事件が起きたフランスで11日、テロに抗議し、犠牲となった17人を追悼する大規模なデモが行われました。地元メディアは、全国で約400万人が参加し、ナチスからの1944年の「パリ解放」時を超える「前例のない規模」だと報じました。
デモ参加者は「表現の自由を守ろう」「われわれはテロを恐れない」などと唱和。林立するプラカードには、テロにつながる過激主義への抗議に加え、「反イスラム感情にノー」など、過激主義者と一般のイスラム教徒の区別を求めるメッセージも並び、「宗教や肌の色にかかわらず、平和に共存できる」との声も聞かれました。
約150万人が参加したパリの大行進では、出発地となったパリ中心部の共和国広場に、午前中から人が詰めかけました。大行進が始まる午後1時半には、身動きが取れなくなるほどの混雑となりました。その後も続々と参加者がかけつけ、約3キロにわたって行われた大行進は、およそ8時間、続きました。
友人と参加したパリの大学生コンタン・ジャンクールさん(23)は「(テロにより)多くの記者や風刺画家、警察官が殺された。表現の自由や(文化の)多様性、民主主義は自分たちの手で守る」と語りました。
同広場には終日、犠牲者を追悼する花やろうそくに加え、表現の自由を象徴する無数のペンが供えられました。
パリのデモでは、オランド仏大統領やメルケル独首相、キャメロン英首相ら約50カ国の首脳が参加し、腕を組みながら行進。オランド氏は、「パリはきょう、世界の首都だ」と述べ、国際的な連帯をたたえました。
全国での参加者は、東部リヨンで30万人、西部ボルドーで14万人を数え、各地で数万人規模に達しました。仏内務省は、仏全土の参加者数を370万人と推計していますが、今回のデモは前例のない規模だとし、推計は「不可能」と発表しました。