2015年1月12日(月)
切り捨て 負担増続々 財務相と厚労相折衝
介護報酬 2.27%下げ決定
実質2回連続 制度危機に拍車
麻生太郎財務相と塩崎恭久厚生労働相は11日の来年度予算をめぐる閣僚折衝で、介護サービス提供事業者に支払われる介護報酬について、2015年度から2・27%引き下げを決定しました。
単年度で過去最大の引き下げとなった2003年度(2・3%)に続く大幅引き下げ。実質0・8%の削減となった前回12年度に続いて、実質2回連続の引き下げです。
今でも経営が厳しい多くの事業所・施設をさらに苦境に立たせ、介護サービスや介護労働者の労働条件の低下を招くなど、「介護の危機」にさらに拍車をかけることは必至です。
削減に反対し、引き上げを求める世論と運動に逆らうものです。
介護報酬改定は、原則として3年ごとに実施。社会保障予算について財務省は、安倍内閣が「『自然増』も含め聖域なく見直す」(骨太方針2014)と宣言したもとで、最大規模の削減を主張していました。
厚労省は、介護労働者の待遇については、介護報酬に上乗せする加算制度を拡充するとしていますが、報酬全体を引き下げれば、待遇改善に逆行することは避けられません。
一方、同時に改定する障害福祉サービスを提供する事業者に支払う報酬は、据え置くことを決めました。過去2回は引き上げられてきましたが、財務省が削減を強く主張していました。