「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2015年1月9日(金)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 東京電力福島第1原発事故で政府の事故調査・検証委員会が聴取した調書は生々しい。3回目となる年末の公開分には、双葉(ふたば)病院(福島県大熊町)の避難関係が含まれています▼同病院には寝たきり患者が多く入院していましたが、救出が大きく遅れ、遠方に搬送されたことなどで患者が亡くなっています。搬送先の同県いわき市内の高校校長は、当時のことを詳しく語っています▼校長は「今、患者の搬送を開始したので、午前10時か11時ごろにはそちらに着く」と連絡を受けます。しかし、午後になっても到着せず、県に問い合わせても「わからない」と。陸上自衛隊のバスが到着したのは午後8時ごろでした▼バスの中に入った校長は「凄惨(せいさん)な状況」を目にし、「その時初めて、避難してきた患者がどれだけ重篤な患者だったのかを知った」と語っています。寝たきりの患者が運ばれてくるとは知らされてなかったからです。患者をバスから降ろす作業時、何人もの死亡が確認されます▼これとは別に患者を保健所に搬送しようとした陸上自衛隊の調書では、病院で救出中に線量計が鳴りっぱなしになって「救出を中止」。病院を出発したものの、国道が壊れていたので立ち往生。「土地勘がなかったので」来た道を戻り、搬送先を転々とします▼鹿児島県にある九州電力川内(せんだい)原発で、事故が起きた時の避難計画は問題山積です。病院や福祉施設の患者が具体的にどう移動するのかも考えられていません。福島原発事故が忘れられています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって