2015年1月9日(金)
仏紙銃撃 10万人抗議
12人死亡 3容疑者 1人を逮捕
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【パリ=島崎桂】パリにある週刊紙シャルリー・エブドに7日、武装した男らが押し入り銃撃した事件は、死者が12人となりました。フランス全土で、抗議の輪が広がっています。同日、事件現場を訪れたオランド仏大統領は「テロ」と断定。表現・報道の自由を脅かす犯行に、仏全土で10万人以上が抗議しました。
カズヌーブ仏内相は、これまでに同紙編集長、編集者、風刺画家8人と警官2人を含む12人が死亡、8人が負傷し、うち4人は重体だと発表しました。犯人グループ3人のうち、1人は警察に出頭し逮捕されましたが、残る2人は、逃走を続けています。
仏政府は、パリ周辺のテロ警戒レベルを最高(「攻撃の警戒」)に引き上げ。在仏日本大使館も、邦人や渡航者にテロ警戒を呼び掛けました。
地元メディアによると、犯人グループは犯行時、「神は偉大だ」「預言者の復讐だ」などと叫んでいたといいます。シャルリー・エブド紙は最近、ツイッター上にイスラム過激組織「イスラム国」の風刺画を掲載していたことから、犯人は「イスラム国」を支持する過激派との見方が有力です。また、同紙は毎週水曜日に編集会議を開いており、犯行は同会議を狙ったものとみられます。
パリ中心部のレピュブリック広場では同日夜、記者組合などが呼び掛けた事件への抗議集会が開かれ、約3万5000人が参加。同広場を中心に、近隣の車道を埋め尽くしました。参加者は、犠牲者を追悼するろうそくや抗議のプラカードを手に襲撃を非難。「表現の自由(を守れ)」と唱和しました。
パリの大学でジャーナリズムを専攻するデルフィーヌ・ラオンデさん(23)は、「報道の自由はフランスにとどまらず世界中で必要とされている。この自由を守るため、メディアへの攻撃には決して屈してはいけない」と語りました。
南部マルセイユや北西部レンヌなど、仏全土の複数の都市でも数千〜1万人規模の抗議行動が行われました。