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2015年1月8日(木)

多数の民意に背く「改革」

「白紙委任」の余地なし

安倍首相 年初発言の思い上がり

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 選挙が終われば、異論は受け付けない―。安倍晋三首相の年初からの言動に、この考えがよくあらわれています。

 1日の年頭所感は、国民の「信任という大きな力を得て、今年は、さらに大胆に、さらにスピード感を持って、改革を推し進める」と宣言。続く5日の年頭会見では、記者から集団的自衛権や憲法改定の具体化、原発再稼働の対応を問われ、「いずれも自民党として公約の中に掲げ、私たちの考えとして明確に示した。報道各社のインタビュー、党首討論の場で説明した。実行していく責任を負っている」と語りました。

争点を回避

 国民は、安倍政権の暴走政治に「白紙委任」したのでしょうか。

 例えば集団的自衛権一つとっても、総選挙公約に「集団的自衛権」の文言はなく、「切れ目のない安全保障法制を速やかに整備します」といった簡単な記述だけ。党首討論でも、日本共産党の志位和夫委員長の追及に「海外で戦争することはない」とのべるだけで、争点化するのを避け続けたのが実態です。京都新聞(6日付)の社説は、5日の年頭会見を取り上げ、「衆院選で積極的に触れなかった問題で、丸投げの信任を得たかのような口ぶりだ」と痛烈な論調です。

 「アベノミクスを前に進めるのか、止めてしまうのか。それを問う選挙だ」と位置づけ、争点を一つに絞り込もうとしたのは首相自身です。国民の反発が強い問題は息をひそめてやりすごし、選挙が終われば全権を得たかのようにふるまうのは、あまりにも軽薄です。

 だいいち、首相がこれからやろうとしている政治は、白紙委任の余地などない、国民多数の民意に背く問題ばかりです。例えば、消費税10%増税をとってみても、岩手日報社が11月中旬から12月下旬にかけておこなった県政世論調査では、「反対」「どちらかといえば反対」をあわせると69・1%に達します。

 原発再稼働や集団的自衛権などあらゆる問題で、国民多数が反対していることは、この間の世論調査が繰り返し示してきたことです。

砂上の楼閣

 自民党が獲得した得票は、有権者比では比例代表で17%、小選挙区で24%にすぎません。一つの選挙区で1人しか当選しない小選挙区制のもとでは、国民の多様な政策的選択は議席に反映されません。民意を極端に排除した小選挙区制が生み出した3分の2を占める与党の議席は「虚構の多数」であって、見かけは多数でも土台はもろい「砂上の楼閣」のようなものです。

 「信任を得た」などと思い上がって、暴走を加速すればするほど国民の抵抗はいっそう激しくなり、安倍政権は土台から崩れ去ることになるでしょう。

 (竹原東吾)


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