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2015年1月8日(木)

きょうの潮流

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 主人公は脳性マヒの障害をもった少年。家族や人々との出会い、別れを経験しながら、自分は知性も感情もある人間なんだと懸命に生きる姿が心にしみます。岩波ホールで上映中のポーランド映画「幸せのありか」です▼「エキプ・ド・シネマ(映画の仲間)」が発足してから221本目の作品。世界の埋もれた名作を発掘し、上映する運動は40年余も続いてきました。その中心にいた高野悦子さんの足跡が、没後1年を前に江東区内のギャラリーでたどれます▼サタジット・レイやアンジェイ・ワイダ、女性監督やアジアの作品の数々。「小さなホールの物語」と題した展示会は、これまでふれてきた新鮮な文化や価値観、物の見方にあふれています▼岩波ホールの総支配人として自分の目や感性を信じて作品を選んだ高野さん。自身も「映画を通して既成概念をふりはらい、人間の尊さや、人間が生きていくうえで大切なことを学んだ」▼若くして銀幕の世界に入り、そこで描かれる女性像に反発。みずから映画をつくろうと決意しますが、男性社会の差別に苦しめられました。支えになったのはフランスの女優ジャンヌ・モローさんの言葉。「私たちは男性のコピーではない。女性が映画をつくる意義は、真の人間文化をつくるため」▼女性の活躍が経済成長の道具のようにいわれるいま、映像の世界を通して女性の権利を守り、差別をなくすために尽くした高野さん。彼女の生きた道は女性の力で輝く社会の実現につながっているはずです。


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