2015年1月6日(火)
教育予算削減へ小中統廃合狙う
新たな「手引き」文科省が発行へ
6学級以下、通学「1時間」検討
安倍内閣は、教育予算削減のため、一方的な学校統廃合を推進しようとしています。文部科学省は、1月に統廃合の新たな「手引き」を出す予定です。
財務省は35人学級についても予算削減をねらって40人学級に戻せと求めています。これに対し文科省は反対していますが、学校統廃合についても姿勢が問われています。
これまで、12〜18学級を標準として強引な統廃合が進められたため、1973年の通達で、無理な学校統合をしないことや小規模校でもそのまま充実させることが好ましい場合もあるとされました。
仮に統合する場合でも、通学距離など子どもたちに与える影響を考慮し、地域住民の合意を得ることなどが強調されました。
現在、12学級を下回っていても公立小中学校約3万校の約半数で統廃合なしに運営されています。ところが文科省は、クラス替えが難しいとして、6学級以下の小学校や3学級以下の中学校では統廃合するよう「手引き」に盛り込むことを検討しています。
また、徒歩や自転車通学を念頭に小学校で4キロメートル以内、中学校で6キロメートル以内としてきた通学距離についても、スクールバスなど交通機関の利用を含めた新たな目安を出す考えです。通学時間は「おおむね1時間」とすることを検討しています。
そもそも小規模な学校は子ども一人ひとりに目が行き届くなどの優れた面があります。
そうした条件を無視して統廃合を進めれば、子どもの通学を困難にし、地域の教育力を弱め、子どもの集中でマンモス校化するなど子どもの学習権を後退させ、地域の文化やコミュニティーの拠点を奪うことにもなります。
学校統廃合は財務省が強く求めてきたことです。全校が12学級以上になれば、全国で5462校が削減でき、小学校だけで1万8千人の教職員を減らせると試算。300億円以上の予算削減につながるとしています。
文科省が通常国会に法案を提出する「小中一貫校」の制度化も、学校統廃合をすすめ、教育予算の抑制につながるものです。
すでに各地で一方的統廃合を許さないたたかいが広がっており、安倍政権の暴走を許さない共同のたたかいが焦点になっています。