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2014年12月29日(月)

介護報酬

改定案の問題点

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介護報酬の改定案の主な内容

【サービスの削減】

 特別養護老人ホームの基本報酬の引き下げ

 特別養護老人ホームの相部屋の部屋代徴収

 デイサービス(小規模型事業所)の基本報酬引き下げ

【サービスの拡充】

 介護職員の処遇改善加算の拡充

 認知症対応(「認知症専門ケア加算」創設など)

 厚生労働省は19日、介護サービスを提供した事業者に支払われる「介護報酬」の改定案をまとめました。2015年度は3年に1度の改定年度になります。改定案の中身を見ると―

特養は引き下げ

サービス低下、廃業の恐れも

 特別養護老人ホームについて基本報酬を引き下げます。厚労省の経営実態調査(今年3月)で赤字の事業所が3割あるなか、報酬を下げればサービス低下や廃業に追い込まれる危険も予想されます。

 低所得者が多い特養の相部屋の部屋代を新たに徴収し、光熱水費も値上げします。部屋代は1万5千円程度になるとみられます。低所得者の施設追い出しにつながりかねません。

 施設に通って入浴や食事、機能訓練などを受けるデイサービス(通所介護)も1カ月あたりの利用者がのべ300人以下の小規模型事業所は報酬を下げます。要支援1〜2の人の通所介護と通所リハビリの報酬も下げます。サービスから遠ざけられ重度化する危険性を抱えています。

 認知症については、有料老人ホーム、養護老人ホームなどでの「認知症専門ケア加算」を創設します。

「在宅復帰」強化

“受け皿”なく追い出し招く

 「施設から在宅へ」の方針の下、介護老人保健施設に対して高齢者の「在宅復帰」を強化するため、加算をもうけます。在宅介護の保障もないもとで、“施設追い出し”を招く危険があります。

 「在宅生活の限界点を一層高める」として、24時間体制の在宅サービスに新たな加算をつけます。利用者が福祉用具を借りるなど他のサービスを利用し、自己負担が1割の上限額を超えた場合でも、1割負担にすえおくことでサービス普及を狙います。

 居宅を中心に、通いや泊まりも提供する「小規模多機能型居宅介護」は、交通が不便な中山間地域の加算をつくります。

職員の処遇改善

「加算」限られ危うい実効性

 介護職員の処遇改善加算について、休暇取得など労働環境の改善にとりくむ事業所には上乗せします。しかし、加算となる事務所は限られ、特養などで基本報酬が引き下げになれば労働条件を悪化させます。

 一方で、職員の配置基準は兼務の拡大で「効率化」を進めます。訪問介護では、サービス提供責任者は「利用者40人に1人以上」から「50人に1人以上」に緩和。「業務過多になる」と批判が出ています。

引き下げ断固反対

 全国老人福祉施設協議会など3団体は、介護報酬の引き下げについて「断固反対」を表明。全国老人保健施設協会は「サービスの質の確保ばかりか、必要な介護従事者の確保や処遇改善も困難」になるとして、財源確保を求める署名142万人分を集めています。


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