2014年12月24日(水)
安倍首相の靖国参拝継続「日本会議」が迫る
国際社会での孤立必至
昨年12月26日、安倍晋三首相が靖国神社に電撃的に参拝し、中国、韓国をはじめ国際社会から「失望した」(米政府)などと激しい批判が上がりました。第2次安倍内閣発足からちょうど1年の日でした。それから1年、24日にも予定される第3次安倍内閣発足に際して、再び安倍首相の靖国参拝問題が注目されます。
見過ごせないのは、侵略戦争を肯定・美化する「靖国」派の総本山といえる改憲・右翼団体「日本会議」が、昨年末の安倍首相の靖国参拝を「高く評価」した上で“連続参拝”を迫っていることです。
「反発している中韓両国に対して、我が国への外交的圧力が無意味・無力であることを悟らせるためにも、首相の靖国参拝を是非とも継続されんことを」(8月15日、声明)
第2次安倍改造内閣では、「日本会議」を支援する「日本会議国会議員懇談会」の所属議員が、閣僚19人中15人を占めました(首相含む)。この参拝圧力に安倍首相がどう応えるのか、厳しく監視する必要があります。
靖国神社は、過去の日本軍国主義による侵略戦争を「自存自衛の正義のたたかい」「アジア解放の戦争」などと美化・宣伝することを存在意義とする特殊な施設です。そこへの首相の参拝は「侵略戦争を肯定・美化する立場にたつ」と、自ら世界に向かって宣言するものです。
安倍首相が靖国神社に“連続参拝”すればどうなるでしょうか。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、ようやく安倍首相と中国の習近平国家主席との会談が短時間ながら実現しましたが、日中関係は完全に壊れます。いまだ首脳会談すら実現できない韓国との関係も、いっそう冷え込むことになります。さらに、日独伊の侵略戦争を不正・不義と断罪した戦後の国際秩序を否定する点で、日本が国際社会で生きていく立場をなくします。
来年は戦後70年。あの侵略戦争が問い直される節目の年です。それを前に首相の態度がきびしく問われます。