2014年12月23日(火)
「小中一貫」制度化も
学校間の格差拡大
中央教育審議会は22日、小・中の義務教育9年間を自由に区切ってカリキュラムを編成できるようにする「小中一貫教育」の制度化を答申しました。
教育の機会均等の原則に反して学校間の格差拡大と競争主義に拍車をかけるものです。
小学校と中学校を一体化させた「小中一貫教育学校」と、小学校と中学校を残したまま統一したカリキュラムを設ける「小中一貫型小・中学校」の二つを制度化。市町村の判断で設置できるようになります。施設は同じ敷地内になくてもよいとし、入学者選抜は「実施しない」としています。
答申は、確固とした根拠もなく「小中一貫教育」によって「いじめの減少」や「学習意欲の向上」に効果があるとする一方、児童・生徒の人間関係の固定化や教職員の多忙化・負担増を課題として指摘しています。
独自教科の制定や指導内容の改変・前倒しを「特例で認めるべき」としながら、全体としては学習指導要領の内容を踏まえるとして「教育の機会均等に反しない」と正当化しています。
中教審はまた、大学への「飛び入学」を推進するための高校早期卒業認定の制度化についても答申しました。「飛び入学」者について、大学での単位をもとに「高校卒業と同等以上の学力」を有することを文部科学大臣が認定します。「飛び入学」を加速させ、競争をいっそう強化することになります。