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2014年12月23日(火)

きょうの潮流

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 「先祖返り」。専門書で引くと、「現在では一般に見られない先祖の形質が、ある個体において偶然のように出現する現象」とあります(『岩波生物学辞典』)。そこまで厳密でなくとも、わかりやすく「逆戻り」くらいの意味で使われています▼国の原子力政策の方向性を審議している経済産業省原子力小委員会でも聞かれました。審議会事務局の資源エネルギー庁が示した中間整理案に対して、委員の中から、東京電力福島第1原発事故前の原子力政策に「先祖返りした」と▼審議会は、安倍政権が原発を「重要なベースロード電源」と位置づけた「エネルギー基本計画」の具体化を検討しています。委員の多くは原発推進の立場に立つ人たち。基本計画に明記もされていない「原発の新増設」について、「避けて通れない」と新増設を求める意見が相次ぎました▼これが福島原発事故があった国の審議会かと疑います。驚くのは、事務局案にある原子力の技術・人材の維持・発展の項目。「10年に2基建設が望ましい」という原発メーカーの要望まで記載しています▼三菱重工業、東芝、日立の三大メーカーで合わせれば10年で6基にも。事故前の2010年の基本計画で明記された大増設計画「20年までに9基、30年までに少なくとも14基以上の新増設」に匹敵します▼福島原発事故はいまだ収束とは程遠く、原因究明も終わっていません。この現実から目をそむけ、まるで事故などなかったかのような推進の大合唱。逆戻りそのものです。


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