2014年12月19日(金)
パレスチナ国家承認
欧州議会が「原則支持」決議
「2国家共存」での解決も
【パリ=島崎桂】欧州連合(EU)の欧州議会は17日、パレスチナの国家承認を「原則的に支持する」とした非拘束決議を賛成498、反対88の圧倒的多数で採択しました。EU各国の議会では最近、自国政府にパレスチナの国家承認を求める決議の採択が相次いでおり、欧州議会も一連の決議に賛同した格好です。
決議文はパレスチナ国家の承認とともに、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」による中東問題の解決を支持。EUに対し、中東和平の「真の仲介者」となるよう促しました。「2国家」の国境については、イスラエルがヨルダン川西岸とガザを占領した第3次中東戦争(1967年)以前の境界に基づくよう求めました。
欧州議会の中道左派、左派、環境各会派は、EU各国にパレスチナ国家を承認するよう呼び掛ける文言の明記を求めていましたが、最大会派の中道右派が反対し盛り込まれませんでした。
先月就任したEUのモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は11月の就任直後、「私の任期中にパレスチナ国家が成立すれば幸せだ」と述べていました。
EU加盟国では、加盟前にパレスチナを国家承認していた一部の東欧諸国に加え、スウェーデンが今年10月に正式に承認。英国、アイルランド、スペイン、フランス、ルクセンブルクの各国議会は同月以来、政府に承認を求める非拘束決議を採択しています。