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2014年12月18日(木)

安倍政権暴走 許されない

選挙結果・世論は信任せず

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 安倍晋三首相は、「アベノミクスをさらに前進させよ、との国民の声を頂くことができた」(15日の会見)などといって経済政策「アベノミクス」をはじめ集団的自衛権行使に向けた法整備などに突き進もうとしています。しかし、選挙結果や選挙後の世論調査などに照らしても民意無視の暴走は許されません。

アベノミクス

将来の期待だけ

 首相は、大企業をもうけさせれば、いずれは賃金や雇用に回るといってきました。

 しかし、大企業の経常利益は34・8兆円と過去最高になりましたが、実質賃金は16カ月連続マイナス、正社員が22万人減少など格差拡大と景気悪化をもたらしただけでした。

 首相も選挙中「(景気回復の)“実感はないよ”という方がたくさんいらっしゃる」と認めざるをえず、「(賃金を)来年も再来年も上げていけば実感していただける」とごまかし続けたのです。

 「まだ利益を得ていない人にもこの先の可能性を訴え、『将来期待』で投票を促す。その作戦が功を奏した」(「日経」15日付)といわれる通りです。

 アベノミクスに反対し、「大企業応援から国民の暮らし第一に転換を」と訴えた日本共産党の躍進は、転換を求める確かな民意を示しています。選挙後の世論調査でも、アベノミクスで景気がよくなるかとの問いに、「思わない」が62・8%で、「思う」の27・3%を大きく上回っています。(共同通信調査)

集団的自衛権・改憲

ごまかし語らず

 首相は、集団的自衛権の行使容認について「公約に明記し、街頭演説でもテレビ討論会でも法整備を行うと訴えてきた」と強調。改憲についても「国民的な理解と支持を深めていくため努力したい」と前のめり姿勢です。

 しかし、首相は選挙中、行使容認が米国と肩を並べて「海外で戦争する国」づくりであるにもかかわらず、「日本人の命と幸せな暮らしを守るため」とごまかし、まともな説明は一切しませんでした。国会で日本共産党の質問に、自衛隊が米軍の後方支援を行う場合、「戦闘現場になる可能性はある」「武器の使用はありうる」と認めておきながら、「うそっぱち」とうそぶきました。

 世論調査でも行使容認など安全保障政策について「支持しない」が55・1%で「支持する」33・6%を上回っています(同)。「憲法改正も公約の300項目のひとつに含めたからといって、国民の賛意の表れとみなすことはできない」(「毎日」15日付)のです。

沖縄新基地

退場の審判無視

 一方で首相は、沖縄・米軍新基地反対の「オール沖縄」4氏が小選挙区で完勝し、自民党に退場の審判が下されたにもかかわらず、「辺野古移設が唯一の解決策であるという考えに変化はない」といって新基地建設をごり押しする姿勢を示しました。「県内反対の揺るぎない民意と受け止めるべきだ」「政府は移設を強行してはならない」(「東京」17日)と批判されています。

 自民党は大勝したとはいえ、全有権者比で見れば比例代表で17%、小選挙区で24%です。民意無視の暴走を続ければ、国民との矛盾はいっそう深まらざるをえません。


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