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2014年12月16日(火)

イタリア 労働法改悪に抗議

二大労組がスト・150万デモ

政労使協議無視に反発

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 イタリアで解雇規制を緩和する労働法改悪に批判が強まっています。12日には全国労組が呼び掛けてゼネストが行われ、全国54都市で150万人が反対デモに参加。与党の中からも強い批判が出ています。


 経済が低迷するイタリアでは失業率が13%と高く、中でも25歳未満の若者の失業率は43%にも達しています。2月に誕生した中道左派のレンツィ政権は、欧州連合(EU)からの要求もあり、「構造改革」を推進。公務員改革、裁判制度改革、法人税減税などと合わせて、解雇規制を緩和する労働市場「改革」法を進めました。特に採用後3年以内の労働者は企業による解雇が容易になります。

 現地からの報道によると、この法律には最大労組で左派系の労働総同盟(CGIL)、イタリア労働者連合(UIL)、カトリック系のイタリア労働組合連盟(CISL)の三大労組が反対を表明。法案が通る前の10月25日にゼネストと全国規模のデモを実施し、100万人が参加。ロイター通信によると、11月下旬に下院で採決した際には、レンツィ氏率いる与党・民主党から約40人の造反者が出ました。

 12月3日に上院で採択され、法案は最終的に成立しましたが、これに反対してCGILとUILが呼び掛けて12日にゼネストとデモ・集会を実施しました。

 労組側は、法の内容そのものを批判するとともに、慣例となってきた政労使協議を行わず、政府が一方的に法案を決定したことに強く反発しています。

 12日のデモでは、「これではやっていけない」との横断幕を掲げ、ローマ、ミラノ、ナポリ、トリノなどで町を練り歩きました。レンツィ首相を鼻の伸びたピノキオになぞらえる似顔絵や絵入り風船が登場し、首相の「ウソ」を批判しました。

 CGILのカムッソ書記長は「この法律は、経済再生と雇用創出には何も貢献しない」と批判。「政府は労組の参加と議論を切り捨てる誤りを犯した。政府は(労働者との)紛争か対話かを選ばねばならない」と迫りました。

 レンツィ氏は10月のデモの際に「デモが政府を阻む時代は去った」と発言。14日には反対する民主党左派に対して、党内少数派にストップはかけられないと強硬な発言をしています。

 (片岡正明)


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