2014年12月12日(金)
NTT「ぐるみ選挙」疑惑
与党支援 有権者リスト要求か
|
通信事業最大手の日本電信電話(NTT)グループが自民、公明の与党を支援する大がかりな「企業ぐるみ選挙」を行っている疑いがあることが11日、本紙が入手した内部文書などで明らかになりました。
内部文書は、総選挙公示前の11月下旬、NTTグループ関連会社の社員らに配布されたものです。ひとりあたり20人以上を目標として、家族・親せきや知人を紹介するよう指示。そのための名前や住所、電話番号などを書き込む「有権者紹介リスト」を添付しています。
同リストには、「記入例」の説明文書が付属していますが、紹介者側の会社名欄には「NTT東日本」と書かれています。また対象の有権者名の欄には北海道、沖縄などとあり、全国規模で企業ぐるみ選挙を展開しているもようです。
説明文書には、「取り纏(まと)め担当者様へ」という記述もあり、同リストを集めるために、グループ各社に担当者を配置していることもわかります。
内部文書によると、同リストの提供を要請したのは「Nグループ」の「政治活動主管」。「年明けには情報通信産業のあり方の方向性が決まる見込み」として、「与党Nグループシンパの発言力を強化し、影響力の最大化を図る必要がある」と露骨に与党応援の狙いを説明しています。
指示を受けたNTT関係者は、指示がNTTグループの上部から来ていると証言。「社員の自由意思による選挙を尊重せず、無神経にこんなリストを配布することに空恐ろしさを感じる」と話しています。
社員の意思を無視した票集めは、公職選挙法や憲法の思想信条の自由を侵害する疑いがあります。
本紙の取材にNTT広報は「事実として掌握しておらず、お答えいたしかねる」としました。