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2014年12月12日(金)

格差拡大・景気悪化もたらしたアベノミクス

暮らし第一で経済再生へ

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 安倍晋三首相は総選挙で「アベノミクスで雇用を増やし、所得を増やし、国民生活を豊かにしていきます」と宣伝しています。しかし、安倍政権の経済政策がもたらしたのは格差拡大と景気悪化だけでした。日本共産党は、格差拡大のアベノミクスにストップをかけ、国民の暮らし第一で日本経済を立て直します。


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消費税増税でマイナス成長

 日本共産党の志位和夫委員長は1月の衆院本会議の代表質問で、消費税増税を強行すれば「経済を壊し、財政も共倒れという『悪循環』の引き金を引くことになる」と警鐘を鳴らしました。現実はその通りになりました。

 国内総生産(GDP)は2四半期連続でマイナスです。民間シンクタンクが持ち直しを予想した7〜9月期は、11月発表の1次速報でマイナス成長だっただけでなく、12月発表の改定値でマイナス幅がさらに拡大しました。景気悪化が消費税率8%への増税の結果であり、「増税不況」であることは誰の目にも明らかです。

 安倍首相はなおも「雇用は改善し、給料は上がり始めている」と言いますが、実質賃金は16カ月連続で前年割れ。正社員はこの2年間で22万人減りました。消費税増税と物価上昇の“二重苦”が国民の暮らしと中小企業を圧迫しています。民間信用調査会社、帝国データバンクによると、円安による原材料高で倒産した企業は2014年1〜11月の累計で前年同期の2・7倍に急増しています。

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大企業優遇は「終わった道」

 「今の不況は完全にアベノミクスによって引き起こされたものです。景気循環の一局面ではありません。消費税増税、円安による物価上昇、実質賃金の低下が全部重なって起きた不況です」。東京工科大学の工藤昌宏教授はこう指摘します。「安倍首相は『この道しかない』と言いますが、道は行き詰まって終わっています」

 安倍首相は、大企業をもうけさせれば、いずれは賃上げなどで国民に回ると繰り返し、法人税減税などで大企業をさらに優遇しています。しかし、大企業はすでに大幅賃上げをできる“体力”を蓄えています。アベノミクスによる円安・株高は大企業に多大な恩恵をもたらしました。大企業の経常利益は12年度の26兆円から13年度には34・8兆円に増えて史上最高になりました。その一方、実質賃金は低下。大企業がいくらもうかっても、安倍首相が言う「好循環」など起きていません。

 労働運動総合研究所顧問の牧野富夫さんは「安倍首相は雇用が増えたと言いますが、増えたのは非正規です。しかも安倍政権は今後、解雇しやすい『限定正社員』を増やそうとしています。労働者派遣法の改悪も狙っています。これでは国内の需要が冷え込むばかりです」と批判します。

共産党―「三つの提案」

 共産党は総選挙政策で「暮らし第一に、経済を立て直すための三つの提案」として、(1)人間らしく働く雇用のルールをつくる(2)社会保障の連続削減ストップ、暮らしを支え、人間としての尊厳を守る社会保障に(3)環太平洋連携協定(TPP)交渉からの撤退、農林水産業、中小企業と地域経済の振興―を掲げています。

 285兆円もの大企業の内部留保のほんの一部を使うだけで、大幅な賃上げと安定した雇用を増やすことができます。トヨタ自動車が12年末から13年末の間に増やした内部留保は1兆4289億円。その2%を使うだけで全従業員に月1万円の賃上げが可能です。そのために政治がすべきことは人間らしく働くルールを確立することです。

 共産党は総選挙政策で、労働者派遣法の改悪をやめさせ、非正規雇用から正社員への流れをつくる抜本改正を実現することを呼びかけています。労働基準法を改正して残業時間の上限を法律で規制することや、「サービス残業」根絶法を制定し、ただ働きを一掃すること、ブラック企業規制法の制定も掲げています。中小企業への抜本的な支援と一体で最低賃金を大幅に引き上げることも求めています。

 社会保障の充実は家計を温め、地域に新たな雇用を生み出して経済再生に貢献します。共産党は、年金削減をやめ、低年金を底上げして“減らない年金・頼れる年金”を実現することを政策に掲げています。医療費の高すぎる窓口負担や国民健康保険料の軽減を国の責任で進めます。特別養護老人ホームの待機者をなくすことや介護サービスの拡充、介護保険料・利用料の軽減も進めます。

 労働総研の牧野富夫さんは「人間らしく生きる上で雇用と社会保障は車の両輪です。雇用のルールを確立し、正規雇用が当たり前の社会にしなければなりません」と強調します。


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