2014年12月11日(木)
激戦勝ち抜き、沖縄の新しい歴史を開こう
那覇 志位委員長の訴え
日本共産党の志位和夫委員長が10日、那覇市で沖縄1区のあかみね政賢候補の必勝をめざして演説した全文は次の通りです。
最大争点は辺野古新基地の是非――沖縄1〜4区すべて勝利し、自民党に退場の審判を
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沖縄のみなさん。こんにちは(「こんにちは」の声、拍手)。日本共産党の志位和夫でございます(拍手)。こんなに多くのみなさんが足をとめ聞いてくださりありがとうございます(拍手)。就任したばかりの翁長雄志新知事、城間幹子那覇市長から激励をいただき、勇気百倍です。ありがとうございます。(大きな拍手)
総選挙は、最終盤のたたかいとなってきました。大接戦・大激戦の沖縄1区で、「オール沖縄」の代表、あかみねさんを必ず押し上げてください(指笛、拍手)。日本共産党は、2区のテルヤ寛徳さん、3区の玉城デニーさん、4区のナカサト利信さんの必勝のためにも全力をあげる決意です。(拍手)
この選挙の最大争点は、いうまでもなく辺野古新基地の是非です。「建白書」実現、新基地建設反対の一点で、保守と革新の垣根を越えて団結してたたかっている「オール沖縄」の勢力と、県民を裏切って新基地建設をごり押ししようとしている自民党とのたたかいです。負けるわけにはいきません(「いかない」の声、大きな拍手)。1区から4区まですべて勝利しようではありませんか(「がんばれ」の声、拍手)。県民を裏切った自民党に退場の審判を下そうではありませんか。(指笛、大きな拍手)
問われているのは日本の民主主義――前知事を裏切らせた安倍政権よ、恥を知れ
11月16日は、沖縄の歴史を変える素晴らしい日となりました。県知事選挙で、新基地建設反対を訴えた翁長雄志さんが10万票の大差をつけて圧勝しました(拍手)。沖縄県民の勇気と誇りある選択に、私は、心からの敬意を申し上げたいと思います。(大きな拍手)
この勝利は、海を越えて、アメリカにも反響を広げています。ジョセフ・ナイ元米国防次官補はこういいました。「沖縄の人々が辺野古への移設を支持するなら私も支持するが、支持しないならわれわれは再考しなければならない」(拍手)。民主主義の国なら、これが当たり前ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
アメリカからもこういう声が起こっている時に、安倍政権の姿勢はどうでしょうか。あの疑いようのない明瞭な審判を経てもなお、「辺野古移設は粛々と進める」と言い放っています(「とんでもない」の声)。沖縄県民の民意を一顧だにしない。これで民主主義の国といえるのでしょうか。問われているのは、沖縄の問題にとどまりません。日本という国の民主主義が問われているのではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
くわえて許しがたい事態が起こりました。退場の審判が下った仲井真前知事が、5日、「毒を食らわば皿まで」とばかりに、辺野古新基地の工法変更を承認しました。ハンコを押して、何の説明もせずに逃げてしまった(「許さん」の声)。この「押し逃げ」は許せません(「そうだ」の声、拍手)。昨年の12月、「いい正月が迎えられる」といって辺野古埋め立て承認を行ったことを県民は決して忘れないでしょう。それに続く2度目の裏切りです。2度までも県民を裏切った者は許せません。「裏切り」をさせた安倍政権も断じて許すわけにはいきません(「許せない」の声、拍手)。「安倍政権よ、恥を知れ」(「そうだ」の声、拍手)。あかみねさんの勝利で安倍政権に断固たる審判を下そうではありませんか。(指笛、大きな拍手)
最新鋭巨大基地の建設――「あらゆる手法」で阻止する翁長知事を支えるあかみね押し上げを
みなさん。たたかいは、これからです。安倍政権は、あらゆる卑劣な手段を行使して、辺野古新基地を押し付けようとしています。
辺野古新基地は、「移設」などという生易しいものではありません。1800メートルの滑走路が2本つくられます。世界最強の強襲揚陸艦が接岸できる300メートル近い埠頭(ふとう)がつくられます。広大な弾薬搭載エリアが建設されます。耐用年数は200年。22世紀どころか23世紀まで沖縄を基地の鎖にしばりつけるものにほかなりません。老朽化した普天間基地に代わって、半永久的に使用できる最新鋭の海兵隊巨大基地を建設する。こんな化け物のような基地押し付けなど、絶対に許すわけにいきません。(「許さない」の声、大きな拍手)
安倍首相は、「普天間を固定化していいのか」と脅しています。しかしみなさん、普天間基地は、県民のみなさんがどうぞと差し出した基地でしょうか。ちがいますね。米軍の沖縄占領直後に、住民を16の収容地区に閉じ込めて、無法に強奪した土地の上につくったものではありませんか(「その通り」の声)。無法に強奪したものは、ただちに閉鎖、返還するのが道理というものではありませんか(拍手)。世界一危険な普天間基地はアメリカに持って帰ってもらおうではありませんか。(指笛、大きな拍手)
翁長新知事は「あらゆる手法を行使して新基地建設を止める」と毅然(きぜん)と表明しています。翁長新知事を、しっかり支える国会議員が必要です(「そうだ」の声、拍手)。沖縄県民の声を、国会に届け、安倍政権と対決する国会議員が必要です(「そうだ」の声、拍手)。どうか、あかみねさんを大接戦で押し上げてください。(指笛、大きな拍手)
「辺野古移設推進」の自民と維新――沖縄1区の議席を渡すわけにいかない
みなさん。相手候補の姿勢についても言わないわけにはいきません。
自民党候補は、基地問題について、いっさいだんまりを決め込んでいます。しかし、どんなに隠しても、昨年11月25日、東京の自民党本部で、石破幹事長にひれ伏し、辺野古新基地を容認した、あのおぞましい「裏切り」の光景を、県民のみなさんは決して忘れることはできないと思います。何より自民党の「政権公約」には、「辺野古移設推進」が明記されているではありませんか。絶対に負けるわけにはいきません。(大きな拍手)
維新の党の候補はどうか。選挙になってにわかに「辺野古『中止・撤回』」を言いだしています。しかしこの人物は、もともとは「嘉手納統合」を売り物にし、県民から総スカンをくらった人物です。その後、昨年の参院選を前にして、大阪維新の会と「辺野古移設」を推進すると明記した政策協定を結んだ人物です。こんな無節操を「節操」とするような人物が、いまさら「辺野古『中止・撤回』」といっても誰が信用できるでしょうか(「できない」の声)。だいたい、維新の党の橋下代表は、仲井真知事が県民を裏切って埋め立てを承認したときに何といったか。「決断に感謝」すると絶賛したのです。維新の党の総選挙公約でも“県内移設を前提に米軍再編を着実に進める”と明記しています。そういう党の公認を受けながら、平気で「辺野古『中止・撤回』」などという。このような二枚舌の人物に、この1区の大事な議席を渡すわけにはいきません。(大きな拍手)
新基地建設ストップの声は、どうかこぞって、あかみねさんにお寄せください。お願いします。(指笛、大きな拍手)
沖縄経済再生の三つの提案――未来に希望をもって生きられる新しい沖縄を築こう
暮らしの問題も大事な争点です。
自民党候補は、「アベノミクスは道半ば、続けさせてください」と言っています。しかし、「道半ば」ではなく、向いている方角が間違っているのではないでしょうか(拍手)。安倍首相は、「大企業をもうけさせれば、いずれは国民の暮らしに回る」といいます。しかし、みなさん。待てども待てども一向に回ってこないではありませんか。「賃金はあがった」といいますが、うそをいっちゃいけません。働く人の実質賃金は16カ月連続マイナスです。「雇用が増えた」といいますが、増えたのは非正規雇用だけ、正社員は2年間で22万人も減っています。安倍首相は「この道しかない」といいますが、“この道には先がない”といいたい(拍手)。大企業応援から暮らし第一へ―かじを切り替えることが必要です(拍手)。大企業の内部留保の一部を活用して、大幅賃上げ、安定した雇用を増やす。そのために政治が責任をもって暮らしを守るルールをつくる。そうしてこそ日本経済は良くなるのではないでしょうか。(指笛、大きな拍手)
私は、とくに沖縄経済再生のため三つの点を訴えたいと思います。
第一は、消費税10%は、先送り実施ではなく、きっぱり中止すべきです(拍手)。沖縄の中心産業である観光業、中小企業、地場産業は、景気の影響を大きく受ける産業です。消費税は、所得の少ない人に重くのしかかり、景気を直接冷やす、最悪の景気破壊税ではないでしょうか(拍手)。10%は中止せよの願いを、こぞって、あかみねさんにお寄せください。(大きな拍手)
第二は、TPP交渉からただちに撤退することです。砂糖の関税が撤廃されれば、沖縄経済への打撃は計り知れません。とくに離島の産業は壊滅し、人が住めなくなります。あかみねさんを勝たせていただき、農産物の価格保障と所得補償で、安心して農業が続けられる日本、沖縄をつくっていこうではありませんか。(拍手)
第三に、基地をなくしてこそ沖縄経済の未来は開けます(「そうだ」の声、拍手)。翁長さんがいうように、「基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因」です(「そうだ」の声)。基地返還の跡地につくられた那覇新都心は、雇用が100倍を超えました。基地に頼らない産業・経済の振興の先頭に立つ、翁長新知事をしっかり支える国会議員が必要です(拍手)。あかみねさんの勝利で、男性も女性も、お年寄りも子どもさんも、みんなが未来に希望をもって生きられる新しい沖縄を築こうではありませんか。(指笛、大きな拍手)
「沖縄の心」を国会に届けるあかみね勝利で「建白書」実現を
みなさん。沖縄県民が一つにまとまれば、必ず歴史は動きます。それは、1950年代の土地を守る「島ぐるみ」のたたかい、60年代の本土復帰をめざす「島ぐるみ」のたたかいにも示されています。いま発展している「建白書」の実現をめざす「島ぐるみ」のたたかいは、沖縄県民のこの誇るべき伝統をまっすぐに引き継いだものです。(大きな拍手)
あかみねさんは、沖縄の怒り、沖縄の願い、沖縄の心を、力のかぎり国会に届け、基地のない平和な沖縄の実現のために、一筋にがんばってきた政治家です。(拍手)
どうか、保守の方々も、革新の方々も、中道の方々も、無党派の方々も、「オール沖縄」の代表、あかみねさんに絶大なご支持をよろしくお願いします。(指笛、大きな拍手)
そして、比例代表では、日本共産党に一票を投じてください。(拍手)
大接戦です。これから残る4日間のたたかいが勝敗を決めます。激戦を勝ち抜き、沖縄の新しい歴史を開こうではありませんか。どうか最後の最後までご支持の輪を広げに広げてください。(歓声、多くの指笛、大きな拍手)