2014年12月10日(水)
沖縄県民抗議に「邪魔」発言
仲井真氏 最後まで民意に背
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「大勢で押しかけて公共の建物の中で仕事を邪魔する行為は、きわめて不謹慎だ」。沖縄県の仲井真弘多知事が県庁を後にした9日、退任会見で自身への抗議に詰めかけた県民に言い放った言葉が、民意に背いてきた知事の最後を象徴していました。
午前9時すぎに登庁した知事は、1階ロビーに集まった県民の怒号で迎えられて知事室へ移動。知事室がある6階全体が警察や県職員に封鎖される異例の厳戒態勢の中、退任会見は開かれました。
記者から退任直前に、名護市辺野古への米軍新基地建設を後押しする2件の変更申請を承認した理由を問われ、「言葉の意味が私には理解不能」「作業が終われば(承認は)当然のことだ」などと強弁。4年前の知事選で掲げた「県外移設」の公約裏切りや、県民への謝罪の言葉は最後までありませんでした。
知事選でノーの審判が下された辺野古移設についても、「実行する時期に入っている。進むことを心から祈念する」などと、民意より政権側に立つ姿勢に終始しました。
「裏切りは許さない」「辺野古承認は認めない」。ロビーで予定されていた離任式すら開けないまま、約100人の怒りの声に包まれて、公約をたがえた政治家は退場しました。
仲井真氏を支えてきた沖縄選出の自民党衆院議員前職の4人も、総選挙で厳しい審判を下されることになります。