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2014年12月8日(月)

NHK「衆院選特集」

山下書記局長の発言

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 日本共産党の山下芳生書記局長は7日、NHK「衆院選特集」に出席し、各党の代表や幹事長と討論しました。


●アベノミクスの是非は

大企業応援から暮らし第一に転換する必要がある

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」をめぐり自民党の谷垣禎一幹事長は、都合の良いデータを並べて「経済の好循環は生まれている」と発言。公明党の井上義久幹事長も「好循環が生まれており、流れを止めてはいけない」と述べました。民主党の枝野幸男幹事長は「アベノミクスの負の側面を見て」とのべ、維新の党の江田憲司共同代表は「成長戦略」が不十分だとして規制緩和を求めました。山下氏は次のようにのべました。

 山下 安倍首相は、“大企業の利益がふえれば、やがて国民の暮らしも良くなる”と言ってきましたけれども、そうならなかったんですね。実質賃金は16カ月連続マイナスですし、雇用もこの2年間で正社員は22万人減っています。ですから、大企業応援から、暮らし第一に政策を転換する必要があると思います。大企業のなかにため込まれた285兆円の内部留保を活用して、大幅賃上げと安定した雇用を増やす。あるいは、中小企業の(下請け)単価を適正に引き上げる。(そのために)政治がやるべきことはいっぱいあるんですよ。

 一つは、人間らしく働ける雇用のルールをつくることです。「生涯ハケン」「正社員ゼロ」に道を開く労働者派遣法大改悪はやめて、非正規(雇用)から正社員への流れをつくろうじゃありませんか。

 二つ目に、中小企業への支援をしながら、最低賃金を大幅に引き上げる。時給1000円以上、やろうじゃありませんか。

 三つ目に、大企業と中小企業の公正な取引のルールをつくる。下請け検査官を抜本的に増やそうじゃありませんか。

 こうやって大企業の内部留保を社会に還流させたいと思います。

●消費税10%への引き上げ

暮らしも経済も税収も壊す――軽減税率いうなら増税自体をやめるべきだ

 自民・谷垣氏は消費税10%への引き上げについて「必ずやらなければいけない」と発言。公明・井上氏は「社会保障の効率化・重点化は避けられない」、維新・江田氏は「(社会保障は)抑制も考えていかなければならない」、次世代の党・山田宏幹事長も社会保障費削減を主張しました。山下氏は次のように主張しました。

 山下 消費税を増税しながら、一方で大企業への法人減税のバラマキをやっているのはやめるべきです。政府の新成長戦略に掲げられているものだけでも、2・5兆円の法人税減税です。財界の要求通りにやれば5兆円の法人税減税ですから、これは逆行しています。

 それから、消費税増税で財政再建できないということは、過去2回の失敗が証明しております。1989年に(消費税を)3%で導入しました。97年に5%に引き上げましたけれども、借金は1000兆円に膨らんだ。

 なぜかというと、消費税は消費を冷え込ませますから景気が悪化し、消費税収は増えるけれども、他の法人税収だとか所得税・住民税の税収は逆に減って、税収トータルでは減っています。

 私たちは消費税頼みではない、「別の道」への転換を提案しています。まず富裕層と大企業に応分の負担を求める税制の改革で財源をつくる。これで20兆円。それから大企業の内部留保を活用し、賃上げなど国民の所得を増やし景気を良くして税収を増やす。これで20兆円。あわせて40兆円を目指したいと思います。

 これに対し谷垣氏は「賃上げを強制できない」、「いきなり(大企業の)内部留保を活用するとはいかない」と述べました。山下氏は次のように反論しました。

 山下 景気がどうあれ、国民の暮らしがどうあれ、2017年4月には消費税を10%に上げるというのは大変な増税宣言だと思います。暮らしが壊れ、経済が壊れ、税収が壊れる。同じ過ちを繰り返すことになります。

 10%に上げたら低所得者層に打撃があるから「軽減税率」だと言うんですが、低所得者層に打撃があるんだったら、10%に上げないというのが一番の対策だと思います。

 谷垣さんが、“内部留保を強制的に賃上げに使うのはどうか”といわれましたが、私は強制的になんて言っていません。政治の役割は、人間らしく働けるルールをつくることです。逆に谷垣さんたちは、労働者派遣法の大改悪、それから残業代ゼロ制度の導入で、強制的に賃下げをすることを提案しようとされていますから、これは逆行だと思います。

●原発

再稼働など許されない。原発ゼロを決断してこそ再生エネルギーへの転換を進めることができる

 原発再稼働について与党は「規制委員会の基準で大丈夫となったら動かす」(自民・谷垣氏)、「地域のみなさんの理解を得て再稼働する」(公明・井上氏)と述べました。山下氏は次のように批判しました。

 山下 安全が確認された原発は動かすとおっしゃいましたけど、福島ではいまだに12万人の方が避難生活を余儀なくされていますよ。事故の原因もわかっていない。汚染水だって処理できていないじゃないですか。事故はまだ終わっていないんですよ。なのに、よくも再稼働なんて言えたものだと思います。

 この間の国民と企業の省エネ努力によって節電されたのは、原発13基分に相当すると言われています。日本社会は原発ゼロでも十分やっていけるということをみんなで証明したと思うんですね。

 去年1年間、再生可能エネルギーの発電量は原発3基分になったといいます。ところが、電力会社は、これ以上買い取りませんと言っている。ドイツでは原発ゼロを決断して、2000年6%だった再生可能エネルギーが今、3割になっています。原発ゼロを決断してこそ再生可能エネルギーが普及できる。再生可能エネルギーこそ純国産エネルギーですし、日本の産業の強みを生かせる、未来あるエネルギーです。転換すべきだと思います。

●集団的自衛権

自衛隊がアメリカと肩を並べて戦闘地域で戦闘行為をおこなうこと――憲法否定の閣議決定の撤回を

 集団的自衛権の問題で谷垣氏は「限定的要件のもとで行使できるようにしていく」と発言。山下氏は次のように指摘しました。

 山下 集団的自衛権の行使は極めて限定的だとおっしゃいましたが、2001年のアフガン戦争、2003年のイラク戦争の時に自衛隊を派兵したさい、特措法についていた「戦闘地域には行かない」という歯止めが「閣議決定」で取り払われました。国会でも安倍総理は、自衛隊が活動する場所が「戦闘現場」になりうる、攻撃されれば武器の使用をする、とはっきり答弁しているんですよ。

 「戦闘地域」で戦闘行為をやる、武力行使になるということですから、集団的自衛権の行使というのは、国民の命を守ることでも日本を守ることでもない。米軍の戦争で、自衛隊が肩を並べて武力行使するということです。これまで憲法9条でこんなことは絶対できないと言ったことを、一片の「閣議決定」でできるようにしてしまう。これは立憲主義の否定ですから、「閣議決定」の撤回、具体化を中止することを強く求めていきたいと思います。

閣議決定で戦闘地域に行かない、武力行使しないという歯止めを外した

 公明・井上氏は「閣議決定をよくお読みになっていないんじゃないか」などといって「武力行使の限界を示したものだ」とごまかしたのに対し、山下氏はこう反論しました。

 山下 「閣議決定」は当然読んでいます。失礼なこと言わないでください。「閣議決定」は、これまでの「非戦闘地域」という概念をなくしました。結局、これまでの「戦闘地域」には行かない、武力行使はしない、という歯止めを外すということです。

 井上氏は、「戦闘地域や非戦闘地域かということではなくて、安全保障といってもあくまで後方支援だ」と言い訳。山下氏は「(輸送・補給など)後方支援でも、戦闘地域でやれば必ず戦闘に巻き込まれます」と反論しました。

●投票日まで1週間、何を訴えるか

安倍内閣の暴走ストップ、日本共産党が伸びれば政治は変わる

 投票日まで1週間となり、何を訴えるかと問われ、山下氏は次のように述べました。

 山下 「安倍政権の暴走ストップ、政治を変えるために日本共産党を伸ばしてください」と訴えたい。

 去年の参院選挙で、日本共産党を躍進させていただいて、ブラック企業規制法案を提出しました。厚生労働省は、若者の使い捨てが疑われる5000社に立ち入り調査をやりまして、4000社で法違反を見つけて、是正がはじまりました。ブラック企業の情報公開も進みました。

 秘密保護法の問題も私たちは、他の党にもよびかけて廃止法案を提出しております。憲法、原発、沖縄の基地問題など、広く国民のみなさんと力をあわせて、政治を動かしてきたのが日本共産党ですから、「日本共産党が伸びれば、必ず政治は変わります」ということを訴えて頑張りたいと思っています。


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