2014年12月8日(月)
フジテレビ系「新報道2001」
山下書記局長の発言
日本共産党の山下芳生書記局長は7日、フジテレビ系番組「新報道2001」で与野党幹事長らと総選挙情勢や子育て、雇用、財政問題などについて討論しました。
●「自民300議席」の報道
「安倍政権にストップをかける共産党」――国民の期待に応えてやるべきことをやり抜き躍進めざす
冒頭、総選挙序盤で主要各紙が「自民300超える勢い」などと報じたことについて問われた山下氏は、「自民党の支持率が伸びているわけではなくて、小選挙区のマジックという面がある」と述べ、第1党に極端に有利な選挙制度の問題を指摘。「逆に私たちは、“安倍政権の暴走にストップをかけられるのは共産党だ”ということで期待が広がっていると感じています。期待に応えて、やるべきことをやりぬいて躍進を目指したいと思います」と表明しました。
●子育て支援・雇用
子ども医療費助成を国の制度に 非正規増やす派遣法改悪は大逆行
子育て支援や教育、社会保障に予算が回らず、少子化が深刻化している問題や、消費税増税について各党の態度が討論の焦点に。この中で、長野県下條村が高校卒業までの医療費無料化や保育料引き下げなど少子化対策に取り組んでいることが紹介されました。
山下書記局長は次のように述べました。
山下 下條村にヒントがあります。高校まで医療費が無料。(じつは)すべての都道府県でこういうことを独自にやっているんです。これを国の制度としてやるように支援したら、うんと進みます。
それから、やはり若い世代の働き方、働かされ方が大問題だと思うんです。若者の2人に1人が非正規雇用です。不安定、低賃金で苦しんでいます。
ある派遣の若者に聞きましたら、「好きな人ができても、つきあってくださいといえない」というんです。「僕とつきあっても幸せになれないから」と。ほんとに切なくなりました。
これは若者のせいじゃないですよ。規制緩和で派遣をどんどん増やしてきた政治の責任ですから。そういうときに、派遣法大改悪で自民党政府がまた非正規(雇用労働者)を増やそうというのは大逆行だと思います。
それから正社員の長時間労働も大問題です。内閣府の調査でも、日本の女性が結婚、妊娠、出産、子育てを機に仕事を辞める理由のトップは長時間労働です。男女ともに長時間労働が仕事と家事・育児の両立を阻んでいます。“もう1人子どもがほしいけれども、こんな働き方では無理だ”という声が出ていますので、人間らしく働けるルールをつくることが必要です。
コメンテーターの野村修也・中大法科大学院教授は、自民党が認可保育所への株式会社参入を推進しようとしていることについてふれ、「よくないということか」と質問。山下氏は「子どもにしっかり最善の保育をするには、どうしても公的な保育の充実というのは中心であるべきです」と強調しました。
野村氏が、働く女性のために外国人労働者に家事労働を任せられるようにすべきだとの考えを示したのに対し、山下氏は「まず日本の国内で雇用をどう増やすのかということがもっと優先されるべきです。非正規が増大し、雇用が劣化していますから、人間らしく働けるルールをつくることが少子化対策になります」と述べました。
●財政問題
「消費税に頼らない別の道」へ――富裕層と大企業に応分の負担を。内部留保活用で国民所得を増やす
少子化対策や社会保障充実のための財源確保が問題に。各党からは「公務員の人件費をカット」(維新の党・江田憲司共同代表)など景気回復に逆行する主張が出る一方で、ゲスト出演した女優の山村紅葉さんは円安で輸出大企業の収益が上がっていることに触れ、「大胆に法人税を増税すればいいのでは」と問いかけました。
山下氏は大きくうなずきましたが、自民党・谷垣禎一幹事長は「この間の円高などで(企業が)ずいぶん(外国へ)逃げていった。国際的にみんな法人税を安くしていこうという流れになっている」と述べました。
山下氏は、カットすべき対象として「大企業・富裕層の減税」、残すべき施策の対象に「社会保障の充実」と書き込んだフリップを示し、次のように述べました。
山下 消費税を導入して以降も、年金は下がる、医療費は上がる、介護のサービスは取り上げられる、社会保障はよくなっていないじゃないかと。私たちは「消費税に頼らない別の道」に転換することを提案します。
まず、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革で財源を確保する、これで20兆円。それから大企業の内部留保が285兆円たまっていますから、その一部を活用して、賃上げなど国民の所得を増やして景気をよくして税収を増やす、これで20兆円。あわせて40兆円です。