2014年12月7日(日)
自民「300議席」予測報道
実態は支持率・評価も低下
報道各社が総選挙について各党の獲得議席「予測」を出し、「自民300議席超す勢い」などと報じました。
まるで自民党に「勢い」があるかのような報道ぶりですが、実態は違います。「300議席」などといわれるのは、相対的に優勢な政党が議席を総取りする小選挙区制度がもたらすゆがみのためです。政治の流れの実態を覆い隠すマジックです。
2012年総選挙でも、自民党は結果的に300議席近くとって「圧勝」といわれました。ところが比例得票は、惨敗して政権から転落した09年総選挙時より220万票減らし、絶対得票率でも18・10%から15・99%に後退させていたのです。
安倍内閣の支持率は2日の公示直前に、「不支持」が「支持」を逆転しています(「共同」11月28、29日実施、不支持47・3%、支持43・6%)。昨年の参院選時の支持率65%からも大きな落ち込みです。
内閣支持率を支えてきた「アベノミクス」への評価も逆転。「日経」調査(11月24日付)で、「評価しない」51%に対し「評価する」33%でした。公示後の経済論戦でも安倍首相が都合のいい数字をあげて「景気は良くなっている」と繰り返すのに対し、JNN(TBS系)の調査(1、2日)では89%が「(景気回復の)実感はない」と回答。消費税10%増税の確約でも「産経」11月25日付調査で「反対」50・0%です。
沖縄の米軍新基地建設では沖縄県知事選挙(11月16日)で審判が下り、県民は知事選の「オール沖縄」の枠組みを維持して自民党を追い詰めています。
現時点で投票態度未定の有権者が4〜5割。安倍首相が選挙後に狙う原発再稼働や、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」の法整備、環太平洋連携協定(TPP)などで警戒感が高まるなか、態度未定の有権者が最後にどう動くかで「予測」が大きく変わる可能性があります。
安倍暴走に対する怒りと不安が強まるもと、安倍政治全体と正面対決するとともに明確な対案を提起してたたかう日本共産党の前進へ、かつてない可能性が開かれ、どこでも大激戦となっています。迷わず訴えを広げきることが求められます。