2014年12月6日(土)
東京市場でも120円台
アベノミクスで急激な円安
家計・営業を直撃
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5日の東京外国為替市場の円相場は、前日の海外市場に続いて1ドル=120円台に下落しました。10月31日に日本銀行が追加金融緩和を決定して以来、急激な円安が進行しています。当時、1ドル=111円だった円相場は、わずか1カ月余りで120円台に突入しました。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)による金融緩和によって急激に円安が進み、輸入物価の上昇を通じた物価上昇は家計を直撃。安倍政権発足2年で2割から3割も高騰した食品も多く、暮らしを圧迫しています。(表)
日本スーパーマーケット協会事務局は、「円安が続く中、輸入に頼っている小麦や大豆、乳製品、カカオなどの価格が値上がりしている。原油高騰による輸送費の上昇もあり、各食品メーカーの商品価格値上げを引き起こしている」といいます。
今後の値上げも目白押しです。日清食品は、2015年1月1日から即席袋麺、即席カップ麺などを5〜8%値上げします。ハウス食品も2月16日から、家庭用レトルト製品の約10%値上げを予定しています。
輸出大企業は、円安効果によって利益を拡大。一方、食料品、非鉄・貴金属、建設資材などが円安の影響で高騰を続けており、価格転嫁が難しい中小企業には死活問題です。
民間信用調査会社の帝国データバンクの調査によると11月の「円安関連倒産」は42件。3カ月連続で最多を更新しました。1〜11月の累計は301件にのぼり、前年同期(110件)の2・7倍に急増しました。同社は、「円安の影響などによる原材料の高騰は、ギリギリの経営を続ける多くの中小・零細企業に“最後の追い打ち”をかけることになりかねない」と警告します。