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2014年12月6日(土)

共産党、安倍政権と対決

党首討論でくっきり

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 総選挙で与野党党首による討論がテレビなどで7回にわたって行われました。消費税、経済政策、集団的自衛権などどの問題をとっても、民意無視で暴走する安倍政権と、これに対案を示して正面から対決する日本共産党の姿が鮮明になりました。


消費税

志位 景気破壊税、3度目やめよ

安倍 景気に関係なく「必ず上げる」

 深刻な景気悪化について日本共産党の志位和夫委員長は、「国民の反対を押し切って消費税を8%に増税したことによる“増税不況”です」(ニコニコ動画・ネット党首討論)と指摘。「この増税を推進した自民、公明、民主の責任は重い」と指摘しました。

 安倍晋三首相は、消費税8%増税について「消費の重しになってしまった」(日本テレビ系newsevery.)と認めながら、「18カ月後には必ず(10%に)上げる」(フジテレビ系新報道2001)とのべ、景気に関係なく再増税を断行する考えを表明。公明の山口那津男代表も「1年半後には必ず上げる」と断言しました。

 志位氏は、1997年の消費税5%が大不況の引き金となり、今回も8%への引き上げが景気悪化を招いたことをあげ、「消費税は景気破壊税だ。もう2度も失敗している。3度目をやるつもりか。10%への引き上げは絶対やるべきでない」(テレビ朝日系報道ステーション)と批判しました。

 民主は「消費税は上げると約束した」(海江田万里代表、ネット党首討論)、と「先送り」実施には反対せず、維新は、「(身を切る改革をやって)そこから消費税の増税です」(橋下徹共同代表、NHK党首討論)とのべ、自民の補完勢力ぶりを示しました。

 志位氏は、富裕層や大企業に応分の負担を求める税制改革で20兆円、国民の所得を増やす経済改革で税収を20兆円増やす―との財源案を示し、「安心して社会保障と財政再建を進める道はあるから、増税中止の声を上げよう」とのべました。(NHK)

アベノミクス

志位 暮らし第一に転換を

安倍 都合のいい数字で合理化

 安倍首相は自らの経済政策「アベノミクス」について、都合のいい統計数字を持ち出して「雇用を改善し、賃金も増えた」(NHK)と胸を張りました。

 志位氏は、「景気悪化と格差拡大をもたらした」(同)と批判。「事実にもとづいて議論を行うことが大切」とのべ、首相の言い分を突き崩しました。

 ―「雇用が2年間で100万人増」というが、増えたのは非正規雇用で、正社員は2年間で22万人減った。

 ―「賃金が2%増えた」というが、実質賃金は16カ月連続マイナスとなっている。

 志位氏の批判を受けて安倍首相は「これから正規が増えていく」(記者クラブ党首討論会)と言い訳を始め、「企業の収益を上げてその結果、雇用が増え、賃金が上がる」(TBS系NEWS23)と繰り返すだけでした。

 志位氏は「大企業の内部留保が“ダム”にたまっているだけで賃金に回らない。大企業応援から暮らし第一に転換すべきだ」(テレビ朝日)と指摘。「内部留保の一部を活用して大幅賃上げと安定した雇用を増やす。日本経済を健全な成長に乗せていく」と主張しました。

 民主は「アベノミクスは副作用がある」(海江田氏、NHK)というにとどまり、維新は「アベノミクスは断行しなければならない」(橋下氏、NHK)と“応援団”でした。

集団的自衛権

志位  限定どころか無限定だ

安倍 停戦合意なくても機雷掃海

 安倍内閣が閣議決定を強行した集団的自衛権の行使容認。安倍首相は「いのちと暮らしを守る閣議決定だ」として、来年の通常国会に関連法案を提出するとのべました。

 志位氏は、アフガン・イラク戦争のような戦争をアメリカが起こした場合、自衛隊が従来の「戦闘地域」まで行って軍事活動を行うことになると首相が国会論戦で認めたことに言及。「集団的自衛権行使は、日本の国を守ることでも国民の命を守ることでもない。米軍と肩を並べて『海外で戦争する国』づくりだ」(ネット党首討論)と強調しました。

 安倍首相は「武力行使を目的とした戦闘行為に参加することはない」と声を荒らげて言い訳。志位氏が「論戦の到達点をごまかしちゃいけない」とクギを刺すと、首相は「日本の平和国家の歩みは変わらない」としかいえなくなりました。(ネット党首討論)

 さらに安倍首相は、停戦合意がない場合でも自衛隊を派遣して機雷掃海を行わせる可能性を明らかにしました。

 志位氏は、「停戦合意がなければ武力行使になる。限定行使というが無限定になる」(テレビ朝日)と批判しました。

 民主は「行使にいくのには慎重でなければならない」(海江田氏、NHK)としかいえず、維新は「日本に足りない自衛権の準備ができているのか非常に心配」(橋下氏、同)と法改悪を求めました。

原発

志位 止めたまま廃炉に

安倍 「安全神話」で再稼働明言

 原発再稼働について、安倍首相は「規制委員会は川内(原発)が安全だと確認した。住民の理解を得ながら再稼働していきたい」(TBS)と表明。山口氏も「避難計画、防災計画が充実できるように国がしっかり支援をすすめていく」と同調しました。

 これに対し、志位氏は「川内原発は、巨大噴火への備えもない。避難体制もまともなものはない。再稼働はすべきではない」(同)と真っ向から反対。「すべての原発は止めたまま、廃炉のプロセスにはいるべきだ」と主張しました。

 志位氏は、国民の努力によってすでに「原発13基分」の電力が節減されたことを紹介。「日本の社会は原発なしでもやっていけることが証明されている」(テレビ朝日)として、再生可能エネルギーや省エネの技術開発を普及する道に進むよう提案しました。

 一方、海江田氏は「2030年代ゼロの目標」(同)などとのべ、「原発ゼロ」を先送り。再稼働についても、「しっかりした避難計画ができていない」(TBS)というだけで、反対しませんでした。「再稼働責任法」を掲げる橋下氏も「誰が最終責任者かはっきりしない」(テレビ朝日)というだけで、再稼働を容認していく立場を表明しました。

沖縄基地

志位 新基地建設は阻止

他党は一言もなし

 沖縄県知事選挙では、米軍新基地ノーの県民の圧倒的な民意が示されました。

 志位氏は、「あらゆる手段を行使して名護市辺野古への新基地建設を止めていきたい」(記者クラブ)と決意を表明。「総選挙で勝って、民意を示して、新基地建設を追い詰めていく」とのべました。

 志位氏は「自民党は県民への公約を裏切って新基地建設に合意したわけだから、裏切った自民党は全部落として、沖縄から(自民党の議席を)なくそう」と訴えました。

 一方、志位氏以外の各党党首は、すべての党首討論の場で、沖縄・米軍基地問題について一言もふれません。総選挙公約では「名護市辺野古への移設を推進」(自民)「在日米軍再編に関する日米合意を着実に実施」(民主)「合意可能な基地移設」(維新)など、民意を踏みにじって新基地建設推進の立場です。

政治とカネ

志位 政党助成金こそ廃止すべきだ

自公民維 「身を切る」論で増税押しつけ

 国民の政治不信につけこんだ「身を切る改革」論を与野党双方の党首が口にしました。橋下氏が「『身を切る改革』をやるべきだ。そこから消費税増税だ」(NHK)といえば、安倍氏も「『身を切る改革』との議論が起こるのは当然」と応じ、海江田氏も「(議員定数の削減などの)約束を守るのが次の10%にいく最低の条件だ」と述べました。

 これに対し、志位氏は「政治の不当な特権をただすというのなら、政党助成金こそ廃止すべきだ」(同)とキッパリ。自民は本部収入の65%、民主は83%、維新は72%を政党助成金に依存しているとして、「国民の税金にどっぷり漬かっておきながら、国民には増税を押し付ける。こんなバカな話はない」と批判しました。

 さらに、志位氏は、「身を切る改革」の狙いが大増税の押し付けと議員削減による民意の切り捨てにあるとして、「切られるのは国民の暮らしであり、民意だ。この考えは間違えている」とピシャリと反論しました。

 ところが、安倍首相は「当面はこの助成金制度を活用したい」(記者クラブ)と、企業・団体献金に加え、政党助成金の受け取りも続ける態度。橋下氏は「政党は資金がいる。企業・団体献金を禁止すれば、政党助成金に頼らざるをえない」(テレビ朝日)と開き直りました。

図
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