2014年12月6日(土)
辺野古新基地 仲井真知事が変更承認
退任直前の暴挙 県民が抗議
沖縄県の仲井真弘多知事は5日、名護市辺野古への米軍新基地建設に向けて防衛省沖縄防衛局から申請されていた埋め立て工事の変更について、「仮設道路の追加」と「中仕切り護岸の追加」の2件を承認しました。仲井真知事は新基地の是非を最大争点とした知事選(11月16日投開票)で圧倒的なノーの民意をつきつけられながら、安倍政権による工事の進捗(しんちょく)を後押しするため、9日に迫る退任間際に再び県民を裏切る暴挙に踏み切りました。
仲井真知事は、同日午後2時すぎに那覇市内の知事公舎に集まった県幹部から2件の審査結果の報告を受け、「可能なものから承認したい」とそのまま承認。公舎前には多くの市民が抗議に詰めかけ、一時騒然とした事態となりました。
4日には、翁長雄志(おながたけし)新県政へ判断を委ねるよう、2200人が県庁包囲大行動に取り組んだばかりで、県民の怒りはさらに高まることになります。
変更申請は、新基地建設に反対する名護市の許可を得ずに工事を進められるよう、防衛局が9月に4件分を提出。名護市の同意が得られない作業ヤードを、仮設道路と中仕切り護岸の追加によって、先行して埋め立てる海域部に設置する狙いがあるとみられます。
残る1件の「土砂運搬方法の変更」の審査については、「少なくとも9日までに終わることはない」(當銘健一郎県土木建築部長)として翁長県政に先送りする見通し。
同県宮古島市で承認の一報を聞いた翁長氏は、「知事選の民意があるから県民には合点がいかないことだ。大変残念だ。これからも(承認の)取り消し・撤回を視野にやっていきたい」と語りました。
9月に防衛局が提出した辺野古埋め立ての変更申請
(1)中仕切り護岸の追加 ⇒承認
(2)仮設道路の新設 ⇒承認
(3)埋め立て土砂運搬方法変更⇒審査中
(4)基地内の河川の切り替え ⇒取り下げ