2014年12月5日(金)
「閣議決定」の機雷除去
自公党首 ズレ
「停戦合意前でも」 首相、武力行使狙う
集団的自衛権の行使を容認した「閣議決定」のうち、ペルシャ湾での機雷除去の是非をめぐって、安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表の認識の“ズレ”が見られました。
3日のテレビ朝日「報道ステーション」では、停戦合意発効前の機雷除去が可能かどうかとの質問に対して、山口氏は「停戦合意を確認するのが基本だ」と述べました。
一方、首相は、停戦が発効していない場合でも「だれかが(機雷を)取り除かないといけない。日本の船は通ってくるのに、できませんよということでいいのか」と述べ、機雷除去は可能との認識を示しています。
しかし、首相の言い分は現実とかけはなれたものです。日本共産党の志位和夫委員長が同番組で、「(海上交通路が機雷で遮断され)油が絶たれるのは重大だが、備蓄もある」と指摘したように、日本政府は緊急時を想定して、石油の備蓄を行っています。11月末現在での備蓄量は204日分に達しています。
そもそも停戦合意前の機雷除去は敷設国への敵対行為であり、国際法上は武力行使にあたります。海外での武力行使を禁じた憲法9条とは相いれません。結局、首相の真の狙いは、機雷除去を口実に、海外での武力行使を無限定に拡大することにあります。
同時に、山口氏の対応も欺瞞(ぎまん)に満ちています。「閣議決定」にあたって政府が国会答弁用に作成した「想定問答集」では、「我が国の存立を全うし、国民を守るために、『武力の行使』であっても必要不可欠な場合があり得る」としており、「武力の行使」=すなわち停戦合意前の機雷掃海も想定しています。山口氏はこれを否定できるのでしょうか。