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2014年12月5日(金)

きょうの潮流

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 バスの前方でぽつんと座る白人の女性。後方には大勢の黒人がぎっしりと。60年ほど前の米国南部を切り取ったひとコマです▼当時、アラバマ州モンゴメリーで1人の黒人女性が逮捕されました。名はローザ・パークス。公営バスの中で白人に席を譲ることを拒んだ罪で。「モンゴメリー・バス・ボイコット」と呼ばれ、公民権運動のきっかけの一つになりました▼戦後もつづいたアメリカの人種差別法。人間の尊厳をもとめ、平等・公平な社会をめざした運動は、差別の撤廃を大きく前進させました。しかし現在も、かの地に人種問題は根強く残ります▼二つの事件がいま全米を揺るがしています。今年8月に当時18歳だった黒人青年を射殺した白人警官が不起訴に。さらに、7月に黒人男性の首を絞め死亡させた白人警官が、またも不起訴。命を奪いながら罪に問われない現状に、抗議する人の輪がひろがっています▼オバマ大統領は「多くの社会的少数者は警察が自分たちの味方ではなく、自分たちが公平に扱われていないと感じている」。実際、警官によって黒人青年が射殺される危険性は、白人青年の21倍になるという近年の調査も▼司法への不信感や警察の蛮行に国連も徹底した調査と処罰を勧告しました。射殺された青年の遺族は「多くの人がわれわれと同じ痛みを抱くことは理解できる。だが、その失望感を積極的な変化を切り開く形で示すことを願っている」。差別のない世界へ。それを、人類の進歩につなげるたたかいとしたい。


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