2014年12月3日(水)
各党首の第一声
2日公示となった総選挙で各党党首が各地で第一声をあげました。
安倍首相
原発推進への反省・謝罪なし
安倍晋三首相は、福島県相馬市の漁港で第一声をあげました。
今なお12万人が避難し、原発事故が収束していない福島で首相は、自民党政権が原発を推進してきたことへの反省や謝罪を一言も述べず、経済政策の“成果”を強調するばかりでした。
「原発被災者の方々は大変、つらい思いをされています」などと人ごとのように言うだけ。福島県の農作物の輸出について「まったく言われなき規制が海外にある」などと外国政府に責任を転嫁。原発再稼働や環太平洋連携協定(TPP)、集団的自衛権行使容認の問題についても語りませんでした。
公明・山口氏
軽減税率を導入「安心して増税」
公明党の山口那津男代表は、横浜市の相模鉄道二俣川駅北口で第一声。「景気回復の実感がない、賃上げが物価の上昇に追いついていない現状をみて、消費税10%を延期し、その間に賃金を来年、再来年も上げる。これで物価に追いつき追い越していく」と訴え、自公政権が消費税増税などで物価を上昇させ、景気を悪化させた責任は棚上げしました。
山口氏は「消費税10%に上げるときは、安心して消費できるように軽減税率を導入しようというのが自公連立政権の約束だ」と述べました。安倍政権が狙う集団的自衛権行使容認の「閣議決定」の法整備についてはふれませんでした。
民主・海江田氏
消費税増税強行触れず政権批判
民主党の海江田万里代表は福島県いわき市のJRいわき駅前で、「安倍政権の危うさに審判を下さなければいけない」と安倍政権を批判。民自公の3党合意で消費税増税を強行したことには一切触れず、景気悪化は安倍政権の経済政策の失敗だと責任を押し付けました。
原発の問題、事故対応の失敗や遅れ、民主党野田政権時代の大飯原発再稼働の責任については触れず、安倍政権の原子力政策を「3・11の事故がなかったかのような振る舞いで再び原子力を動かそうとしている」などと批判しました。
維新・江田、橋下氏
「身を切る」強調
維新の党の江田憲司共同代表は、地元・横浜市のJR横浜駅前での第一声で、政治不信の解消を名目に「身を切る改革で国会議員の定数は3割削減、公務員の人件費は2割削減する」と訴え、民意を削り、公共サービスの質を下げる姿勢を鮮明にしました。10%への消費税増税の先送りも、「その前にやるべき」こととして「身を切る改革」を主張しました。
橋下徹共同代表(大阪市長)は大阪市で第一声を行い「僕はアベノミクスの方向性は賛成」「われわれは取扱注意のダイナマイトの原料ニトロ。われわれを加えないとアベノミクスは爆発しない」などと述べました。
橋下氏は、「皆さんに負担を押しつける前に」として国会議員定数削減、公務員給与削減を進め「最後に国民の皆さんに負担をお願いする。それがイシンノミクスだ」と述べました。
生活の党・小沢氏
自民政権を批判
「生活の党」の小沢一郎代表は、新潟県魚沼市で第一声。小沢氏は「(前回の)選挙のときは自民党もTPP反対だといっていた。選挙に勝って政権をとったら、TPP交渉一生懸命になってやっている」と批判。「いまの自民党政権はかつての自民党とは違う。地域のこと、農村のことを本気に考えて政治をやっていません」となげきました。消費税増税や非正規雇用の増加など、「アベノミクス」の批判に終始し、「生活の党」の対案は語りませんでした。
次世代
歴史の偽造と排外主義あらわ
次世代の党の平沼赳夫党首は、岡山県津山市で第一声。自主憲法制定と集団的自衛権行使容認、原発再稼働推進などを訴えました。
また山田宏幹事長らが東京・JR新宿駅前で「東京第一声」を行い、日本軍「慰安婦」問題で「ウソだと取り上げ続けてきた」ことを誇り、「生活保護を外国人に適用するな」と主張するなど歴史偽造・排外主義を鮮明にしました。
東京12区で立候補した田母神俊雄・元航空幕僚長は「安倍首相が日本を取り戻すというのは支持しているが、自民党と公明党の連立政権では日本を取り戻すことは無理」などとして「公明党をぶっつぶせ」と絶叫しました。