2014年12月3日(水)
日本共産党の躍進こそ、安倍暴走ストップ、政治を変えるたしかな力
東京・新宿 志位委員長の第一声
総選挙公示の2日、日本共産党の志位和夫委員長が東京・新宿駅西口で行った第一声(全文)は次の通りです。
|
「この道は危ない」――暴走ストップの審判の時
みなさん。おはようございます(「おはようございます」の声)。ご紹介いただきました日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)
日本の未来がかかった歴史的総選挙が始まりました。私たちは、政党を選ぶ比例代表選挙で、日本共産党と書いていただく方を広げに広げ、全国で650万票以上を獲得し、必ず躍進を果たす決意です(拍手)。小選挙区でも全国295の選挙区で勝利のために全力をあげてがんばりぬきます(拍手)。日本共産党への絶大なご支援を心からお願いいたします。(拍手)
みなさん。この2年間の安倍政権の政治はどうでしょうか。首相は、「この道しかない」と言っていますが、「この道は危ない」と思っている方が多いのではないでしょうか。(拍手)
安倍政権の2年間は、あらゆる分野で、国民の民意に背く暴走の2年間でした。しかし、審判の時がやってきました。主権者である国民が、安倍政権に暴走ストップの審判を下し、政治を変える絶好のチャンスがやってまいりました。(拍手)
この総選挙で、日本共産党は、安倍政権と正面から対決し、どんな問題でも国民の立場に立った抜本的対案を示し、国民との共同で政治を前に動かす――「対決、対案、共同」の姿勢を貫いて、躍進をめざします。
みなさん。日本共産党の躍進で、安倍政権の暴走ストップ、そして、国民の声が生きる新しい政治をご一緒につくろうではありませんか。(大きな拍手)
「景気破壊税」消費税10%は中止――「消費税に頼らない別の道」にきりかえよう
私たちは、日本の政治の「五つの転換」を訴えて、この総選挙をたたかいます。
第一の転換は、消費税10%への増税を中止し、「消費税に頼らない別の道」に切り替えて、財源をつくることです。
昨日の日本記者クラブの党首討論会で、私は、安倍首相に問いただしました。今の景気悪化は、何よりも消費税8%を強行した結果であり、増税不況です。私は、1月の国会質問で、「こんな経済情勢のもとで増税を強行すれば深刻な不況の引き金を引く」と警告し、中止を求めました。それに対して、安倍首相は、「経済対策をあわせて実施すれば大丈夫だ」と答弁しました。しかし、現実は私の警告の通りになったではありませんか(拍手)。私のいうことを聞いていればよかったですね(笑い、拍手)。私はそのことを指摘して、首相に、増税強行は誤りだったと素直に認めたらどうですかとただしました。しかし、首相からは一言も反省の言葉がありませんでした。それならば審判を下そうではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。「3党合意」で増税を推進した自民党、公明党、民主党に厳しい審判を下そうではありませんか。(大きな拍手)
安倍首相は、1年半の「先送り」をした後は、景気がどうあろうと、10%への増税を絶対に実施すると断言しました。今度の総選挙では、消費税10%への増税を実施させていいのか、そのことが問われます。ここが争点です。
みなさん。消費税は、所得の少ない人に重くのしかかり、消費を直接冷やす最悪の“景気破壊税”ではないでしょうか(拍手)。1997年の5%への増税は、大不況の引き金を引きました。今年の8%の増税も景気悪化の引き金を引きました。これを3度くりかえすつもりか。消費税10%は、「先送り」実施でなく、きっぱり中止を――この声を突きつけようではありませんか。(大きな拍手)
日本共産党は、「消費税に頼らない別の道」――財源提案を発表いたしました。富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革などで、新たに20兆円の財源をつくります。くわえて、大企業の内部留保を活用して、国民の所得を増やす経済改革で、10年後には20兆円の税収が増えてまいります。この二つを合わせて実行するならば、消費税に頼らなくても、社会保障を充実し、財政再建をはかることは可能です。
ですから、みなさん。安心して、今度の選挙では増税中止の声を上げようではありませんか(拍手)。増税中止の一票は、こぞって日本共産党にお寄せください。お願いいたします。(大きな拍手)
「アベノミクス」の道に「先はない」――暮らし第一で経済を立てなおす
第二の転換は、格差拡大の「アベノミクス」ストップ、暮らし第一で経済を立てなおす政治への転換です。
安倍首相は、「大企業をもうけさせれば、いずれは国民の暮らしにまわる」ということを党首討論で繰り返しました。私は反論しました。そんな考え方が誤りだということは事実が証明しているではありませんか。
「アベノミクス」で大資産家と大企業にはたいへんなもうけがころがりこんでいます。ところが庶民の暮らしはどうでしょうか。首相は「賃金が上がった」と自慢しています。ウソを言ってはいけません(「そうだ」の声、拍手)。働く人の実質賃金は16カ月連続でマイナスではありませんか。首相は「雇用が増えた」と自慢しています。しかし増えたのは非正規雇用だけ。正社員は2年間で22万人減っているではありませんか。
首相は「この道しかない」と連呼しています。しかし、私は言いたい。「この道には先がない」(拍手)。大企業応援から、国民の暮らし第一に――経済政策の転換こそ必要ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
日本共産党は、総選挙にあたって三つの提案をいたします。
一つは、人間らしく働ける雇用のルールをつくろうということです。みなさん。労働者派遣法の大改悪を中止させ、非正規から正社員への流れをつくる抜本改正こそ実現しようではありませんか(拍手)。「残業代ゼロの制度」などとんでもありません。長時間過密労働を是正し、日本から「過労死」をなくしていこうではありませんか(拍手)。中小企業支援と一体に最低賃金を時給1000円以上に大幅に引き上げさせようではありませんか(拍手)。そしてみなさん。若者を使いつぶすブラック企業を日本からなくしていこうではありませんか。(拍手)
二つ目は、社会保障切り捨てから充実への転換です。年金の連続削減は許すわけにはいきません。低すぎる年金の底上げをはかるために力をつくしてまいります(拍手)。国の責任で、高すぎる医療費の窓口負担、国民健康保険料(税)の軽減をすすめることを強く求めてまいります。特別養護老人ホームの待機者、保育園の待機児童、待てません。国の責任でゼロにするための施策をとらせようではありませんか。(拍手)
三つ目に、農業を壊し、国民皆保険を壊し、食の安全を壊し、日本を丸ごとアメリカに売り渡すTPP(環太平洋連携協定)交渉からただちに撤退することを強く求めます(拍手)。緊急の米価暴落対策を行うとともに、安心して農業が続けられる価格保障と所得補償で、日本農業を再生しようではありませんか。国の中小企業予算を3倍の1兆円に増やし、日本経済の根幹にふさわしい支援の強化をはかろうではありませんか。(拍手)
みなさん。大企業応援から国民の暮らし第一へと、経済政策の軸足を移し、日本経済を立てなおしましょう。企業・団体献金をビタ一文受け取らない日本共産党でこそ、この仕事はできます。どうかよろしくお願いいたします。(大きな拍手)
「戦争する国」づくりは許さない――「平和憲法守れ」の声を日本共産党に
第三の転換は、「海外で戦争する国」づくりを許さず、憲法9条の精神に立った外交戦略で平和と安定を築くということです。
集団的自衛権行使の現実の危険はどこにあるのか。
国会論戦を通じて、2001年のアフガニスタン報復戦争、03年のイラク侵略戦争のような戦争をアメリカが引き起こしたさいに、自衛隊が従来の「戦闘地域」まで行って軍事活動を行うことになる、このことを首相は認めました。攻撃されたら「武器の使用をする」ことになる、このことも首相は認めました。この間の党首討論でも、私はこの点を繰り返し追及しましたが、安倍首相は反論不能におちいりました。論争の決着はつきました。
集団的自衛権行使とは、日本の国を守ることでも、国民の命を守ることでもありません。アフガン・イラクのような戦争で、米軍と自衛隊が肩を並べて戦争する――「海外で戦争する国」づくりこそ正体だということはいまや明瞭となったのでないでしょうか。(拍手)
みなさん。今ならまだ間に合います。集団的自衛権行使容認の「閣議決定」は強行されましたが、それを具体化する法改悪は来年に持ち越されました。この総選挙での審判で暴走を止めようではありませんか(拍手)。共産党への一票で暴走を止めようではありませんか。(大きな拍手)
日本を「殺し、殺される国」につくりかえる憲法違反の「閣議決定」は撤回せよ、国民の目、耳、口をふさぎ、戦争に動員する秘密保護法は廃止せよ――この願いを日本共産党への一票にたくしてください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)
北東アジアの平和と安定をどう築くか。もっぱら軍事に頼るのではなくて、憲法9条の精神に立った平和の外交戦略こそ必要です。日本共産党は「北東アジア平和協力構想」を提唱し、その実現のために内外で行動してまいりました。ASEAN(東南アジア諸国連合)の国ぐにがつくっている東南アジア友好協力条約のような、紛争を話し合いで解決する平和の枠組みを、北東アジアにもつくろう、これが日本共産党の提案であります。(拍手)
平和憲法を守ろう――この願いを、党をつくって92年、一筋に反戦平和を貫いてきた日本共産党への一票にたくしてください。よろしくお願いいたします。(大きな拍手)
原発再稼働ストップ、「原発ゼロの日本」をつくろう
第四の転換は、原発再稼働ストップ、「原発ゼロの日本」への転換です。
自民党は、総選挙政策で、「原発は重要なベースロード電源」とし、再稼働を進めることを宣言しました。
しかし、みなさん。福島では、今なお12万を超える県民の方々が避難生活を余儀なくされ、事故の収束も、原因究明もできていないではありませんか。あたかも事故などなかったかのように、原発推進にしがみつき、再稼働を進めるなど、断じて許すわけにはいきません(拍手)。再稼働ストップの審判を下そうではありませんか。(拍手)
みなさん。今、日本で動いている原発は一つもありません。「稼働原発ゼロ」になって1年2カ月です。再稼働反対の世論と運動が、原発にしがみつく勢力を追い詰めています。この力に自信を持とうではありませんか。(拍手)
この間、国民も企業も省エネの努力をして電力消費を減らしてきました。その省エネ努力は「原発13基分」になるといわれています。日本社会は「原発ゼロ」でも立派にやっていけることが証明されたのではないでしょうか。(拍手)
日本共産党を伸ばしていただいて、「原発ゼロの日本」、再生可能エネルギーへの大転換の道を、ご一緒に開こうではありませんか。(拍手)
沖縄に連帯し、新基地建設許すな、普天間基地撤去の審判を
第五の転換は、沖縄の米軍新基地建設を中止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくることであります。
11月の沖縄県知事選挙で新基地建設反対を訴えた翁長雄志さんが圧勝しました(拍手)。沖縄の未来を切り開く、沖縄県民の歴史的勝利です。
ところが、安倍政権は、なおも「辺野古移設を粛々と進めることに変わりはない」と言い放っています。県民がどんな審判を下そうと、それに関係なく、新基地建設を進める。これで民主主義の国といえるでしょうか。問われているのは日本という国の民主主義だということを、私は訴えたいと思うのであります。(拍手)
今度の選挙で、沖縄では、四つの小選挙区すべてで県知事選挙の共同の枠組みを大切にし、新基地建設反対の一点で、保守と革新の垣根を越えた共闘がつくられ、選挙がたたかわれています。4選挙区すべてで必ず勝利したい(拍手)。県民を裏切った自民党を一人残らず落としたい。(拍手)
みなさん。沖縄のたたかいに連帯し、全国で、新基地建設許すなの審判を下そうではありませんか(拍手)。世界一危険な普天間基地はアメリカに持って帰ってもらおうではありませんか。(大きな拍手)
「身を切る改革」というが――政党助成金こそ廃止せよ
日本の政治の「五つの転換」ということを訴えてまいりましたが、どの問題でも、安倍政権の暴走に正面から対決しているのは日本共産党です。一連の党首討論会を通じても、自民党対日本共産党――「自共対決」こそ今度の選挙の対決軸だということがはっきりと浮かび上がったのではないでしょうか。(拍手)
選挙になって、にわかに「身を切る改革」なるものを唱えている政党があります。私は、党首討論で次のように述べました。
「『身を切る改革』というが、11月28日に発表された政治資金収支報告書を見て驚いた。自民党の本部収入の6割、民主党の本部収入の8割、維新の会(当時)の本部収入の7割は、政党助成金ではないか。国民の税金にどっぷり漬かりながら、国民に増税を押し付ける。こんなバカな政治はありません(拍手)。政治の不当な特権をただすというのなら、年間320億円の政党助成金こそ廃止すべきです」(大きな拍手)。そう言いましたら、相手は目をそらしまして(笑い)、反論はありませんでした。
いま言われている「身を切る改革」なるものは、議員定数を減らすから、国民は黙って消費税増税を受け入れろという、とんでもない「増税押し付け」論です。しかも議員定数削減、とくに比例定数削減は、国民の民意を反映する唯一の部分を削ることになります。「身を切る」と言いますが、切られるのは国民の暮らしであり、国民の民意ではないでしょうか。(拍手)
同志社大学の浜矩子教授は、「しんぶん赤旗」のインタビューで、「野党といっても、『自民党野党支部』のような野党ではなく、『ホンマモンの野党』に頑張ってもらいたい」とエールを送ってくださいました。
「自民党野党支部」のような野党では政治は変えられません。日本共産党の躍進こそ、安倍政権の暴走に一番の痛打を与えることになり、日本の政治を変える一番たしかな力になるのではないでしょうか。(大きな拍手)
日本共産党が伸びれば、日本の政治は必ず変わる
みなさん。日本共産党が伸びれば、日本の政治は必ず変わります。
昨年の参議院選挙での躍進は、政治を動かす大きな力となって働いています。日本共産党は、参議院で獲得した議案提案権を行使し、ブラック企業規制法案を提出いたしました。法案提出は、厚生労働省を動かし、4000を超える事業所に是正指導を行わせるなど、重要な成果につながりました(拍手)。秘密法廃止を求める国民の願いに応えて秘密法廃止法案を提出し、この悪法廃止の一歩を踏み出しました。
どうか、みなさん。参議院選挙につづき、総選挙で日本共産党をさらに大きく躍進させてください。ご一緒に力を合わせ、国民の声が生きる新しい政治をつくろうではありませんか(拍手)。男性も女性も、お年寄りも子どもさんも、国民みんなが未来に希望を持って生きられる新しい日本をつくろうではありませんか。(大きな拍手)
首都・東京から大きな躍進の波を
首都・東京でのたたかいは、たいへんに大切です。昨年の都議選での日本共産党の躍進は、参議院選挙の躍進につながりました。どうかみなさん、今度の総選挙、首都・東京で比例3議席を必ず獲得させてください(拍手)。小選挙区でも、首都から議席を獲得しようではありませんか(拍手)。そのことを最後にお訴えし、私も全国を駆けめぐって躍進の先頭に立つ決意を申し上げて、この場をお借りしての第一声といたします。ありがとうございます。がんばります。(大きな拍手)