2014年12月3日(水)
主張
総選挙スタート
民意に応える党かが問われる
総選挙が公示されました。前回の総選挙から約2年ですが、国民はこの間、安倍晋三政権の暴走に不安と批判をつのらせてきました。公示にあたっての各党党首の第一声を聞いても、安倍政権の暴走をどう食い止めるのか、総選挙の焦点と、「自共対決」の構図が鮮明です。政治の流れを決めるのは、主権者・国民の一票一票です。どの党が国民の願いに応える政党か、各党の基本姿勢が根本から問われます。
暴走ストップのチャンス
「主権者である国民が、安倍政権の暴走ストップの審判を下し、政治を変える絶好のチャンスがやってきた」―日本共産党の志位和夫委員長の第一声は明瞭です。日本共産党はこの2年間、国民とともに安倍政権の暴走と対決してきました。消費税の再増税は「先延ばし」実施ではなくきっぱり中止、消費税に頼らない「別の道」を目指す、景気悪化と格差拡大の「アベノミクス」はストップ、「海外で戦争する国」づくりや原発の再稼働、沖縄での米軍新基地建設も許さない―。志位委員長が示した「五つの転換」は、安倍政権の暴走をストップし、国民の声が生きる政治の方向を示したものです。
安倍政権が来年10月からの消費税再増税の延期に追い込まれたのも、今年4月からの消費税増税で「増税不況」が明らかになり、国民の7割、8割が反対したからです。安倍政権が政権発足以来進めてきた経済政策「アベノミクス」で、「暮らしがよくなった」ことを実感している国民はごく少数です。1日付「毎日」の調査でも「良くなったと思わない」が70%、この2年で暮らし向きが「悪くなった」が21%、「変わらない」が71%です。
安倍首相は第一声でも、暮らしと経済を悪化させた失政についてはまったく反省していません。それどころか、「雇用を増やし、賃金を上げた」と都合のいい数字だけを並べるうそ宣伝です。首相がいう有効求人倍率の改善は非正規が中心で、正規で働く労働者は求人が求職者を下回っています。賃金が上がったというのも、名目では上がっても増税と物価上昇で打ち消され、実質では16カ月連続マイナスです。都合の悪いことにはふれないのは、それだけ国民に追い詰められていることの証明です。
経済政策だけでなく、国民は安倍政権が集団的自衛権の行使を認め「海外で戦争する国」づくりを進めることにも、東京電力福島原発事故を脇において原発再稼働を進めることにも、7割、8割が反対です。志位委員長が示したように政治の根本転換が不可欠です。「アベノミクス」は批判しても消費税増税では自公と“共犯”の民主党や、「アベノミクス」を加速する立場の維新の党や次世代の党では国民の願いに応えられません。
民意ゆがむ「政治とカネ」
国民の声を政治に反映させ、国民本位の政治を実現していくうえで、大問題になってきているのが「政治とカネ」の問題です。安倍政権になって企業・団体献金が急増しています。「アベノミクス」が大企業のもうけをふやすためです。そのうえ自民党だけでなく、民主党も維新も税金で賄う政党助成金にどっぷりつかっています。税金頼みでは政党がだめになります。
国民本位の政治は、企業献金にも政党助成金にも頼らない日本共産党の躍進でしか実現しません。