2014年12月2日(火)
台湾地方選
若者の投票率上昇 二大政党制に激変
【北京=小林拓也】11月29日に投開票された台湾の統一地方選では、与党・国民党の大敗が大きな話題になっています。同時に、台湾の首都機能を担う台北市長選で無所属候補が当選したことに象徴されるように、国民党と民進党の二大政党を中心に動いていた台湾の政治に激変が起こりつつあります。
台湾紙・聯合報(電子版)30日付の論評は、低収入や不動産の高騰、食品安全問題などに直面した若い世代が、与党への怒りや不満を投票という形で示したと指摘。従来は3割ほどだった20〜40歳の投票率が大幅に上昇し、伝統的な組織動員の選挙手法がほとんど役に立たなかったと強調しました。
その上で、「若い世代が政治に強い関心を持ち始めたことで、今回の選挙は青緑(国民党と民進党を表す色)という基本思考を変えた。政治は、国民党が軍と公務員、民進党が高齢者と農民を囲い込むといった単純なものではなくなった」と主張しました。
また、従来の選挙は政党の動員が中心だったが、「今回の選挙は、若い世代が自主的に動き、政治家の活動に参加し、投票した」と指摘。中台「サービス貿易協定」に反対する学生らが立法院議場を占拠した「ヒマワリ学生運動」などを経て、若者は二大政党を信頼せず、「自発的思考で政治を判断するようになった」と分析しています。