2014年12月2日(火)
日本記者クラブ党首討論会
志位委員長の発言
1日に開かれた日本記者クラブ主催の党首討論会で日本共産党の志位和夫委員長が発言した内容は次の通りです。
選挙戦で何を訴える
「暴走ストップ、政治を変える」――日本共産党躍進を
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最初に各党代表が選挙で一番訴えたいことをフリップで示し、発言しました。
志位氏は「暴走ストップ!政治を変える」を掲げ、次のように述べました。
志位 日本共産党は安倍政権の暴走ストップ、日本の政治の「五つの転換」を訴えて、この選挙たたかいます。
第一に、消費税10%は中止し、富裕層や大企業に応分の負担を求める、「消費税にたよらない別の道」で財源をつくります。
第二に、格差拡大の「アベノミクス」ストップ、国民の暮らし第一で経済を立て直します。
第三に、「海外で戦争する国づくり」を許さず、憲法9条の精神にたった外交戦略で平和と安定を築きます。
第四に、原発再稼働ストップ、「原発ゼロ」の日本への転換です。
第五に、沖縄の米軍新基地建設は中止し、基地のない平和で豊かな沖縄をつくります。
日本共産党が伸びれば日本の政治は必ず変わります。どうかよろしくお願いいたします。
安倍首相に問う
政党助成金が政治腐敗と政党劣化を招いた――指一本触れないのか
次に、党首間で質問するコーナーに移り、志位氏は安倍晋三首相に次のように質問しました。
志位 今度の選挙で、「政治とカネ」をめぐる重大な疑惑が指摘されている一連の政治家を、自民党が公認したことは驚きです。
こうしたカネに対する感覚麻痺(まひ)の根源の一つに、政党助成金があります。
総額320億円(年間)。何の苦労もなく、毎年巨額の助成金が転がり込む。「民主主義のコスト」という名目で導入されたこの制度が、カネに対する感覚を麻痺させ、政治腐敗を加速しています。
自民党本部の収入の65%は政党助成金。まるで「国営政党」です。助成金目当ての政党の離合集散も目に余ります。政党の劣化が深刻です。
わが党は、政治の不当な特権をただすというのなら、憲法違反の政党助成金の廃止こそ必要だと主張しておりますが、安倍さんはこの制度に指一本触れないおつもりですか。端的にお答えください。
これに対し、安倍首相は、カネに対する感覚麻痺を「処理の問題」などと矮小(わいしょう)化しながら、「民主主義のコストをどのように負担、分担していくかということだ」と述べ、政党助成金とともに企業・団体献金を受け取ることを正当化。「当面はこの助成金制度を活用したい」と述べ、企業・団体献金と政党助成金の“二重取り”を続ける姿勢を見せました。
現在の不況は増税不況――消費税10%で3度目の失敗ないといえるか
さらに、志位氏は消費税をめぐって安倍首相に次のように質問しました。
志位 消費税について2問、端的に質問します。
第1点。現在の景気悪化は、消費税8%を強行した結果であり、「増税不況」だと思います。
私は、1月の国会質問で、“こんな経済情勢のもとで増税を強行すれば、深刻な不況の引き金を引くことになる”と強く警告し、中止を求めました。安倍さんは“経済対策をあわせて実施すれば、経済の好循環は実現する”と答弁されました。
しかし、現実は警告の通りになりました。増税強行は誤りだったと素直に認めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
二つ目。安倍さんは10%への増税を2017年には必ず実施すると断言されています。
しかし消費税増税は必ず景気を壊します。1997年の5%への増税は大不況への引き金を引きました。今年の8%への増税も景気悪化への引き金を引きました。
2度も失敗しているのに、3度目で景気が悪くならないということがどうして言えるのか。説明していただきたい。
安倍首相は、国内総生産(GDP)が2期連続でマイナスになったにもかかわらず、「経済はまだ成長している」などと強弁。消費税増税が景気悪化の引き金を引いているという志位氏の指摘には、まったく答えられませんでした。
「自共対決」について
政治の基本問題で対決軸は鮮明――始まった躍進の流れを本格的な流れに
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主催者側から、日本共産党が「自共対決」を掲げていることについて「300議席近い自民党と10議席に満たない共産党で『自共対決』かなと疑問もある。自分たちは正しいことを主張しているというなら、どうして増えないのか」と質問されました。志位氏は次のように答えました。
志位 私たちはもちろん、自民党と力の差は大きくあると思います。しかし、日本の政治の基本問題では正面から対決している、この対決軸がはっきりしていると思います。
私は、日本の政治の「五つの転換」ということを申しました。
私たちは、消費税10%は「先送り」実施ではなく、中止にといっております。安倍さんは2017年には景気がどうあろうと10%にするという。この対決が問われます。
それから「アベノミクス」について、私たちは、格差拡大と景気悪化を招いた、チェンジ(転換)が必要だといっておりますが、安倍さんは“道半ばだからこの道しかない”(という)。
集団的自衛権の問題でも、私たちは「海外で戦争する国」づくりに反対です。この問題でも真正面から対決しています。原発の問題でも、沖縄の問題でもそうです。ですから、この対決軸が鮮明で「自共対決」でたたかっていきたい。
最後のご質問ですが、私たちは昨年の都議選、参院選挙で躍進させていただきました。そしてその流れが、その後もずっと広がってきているという手ごたえを感じております。ようやく私どもの主張が、多くの国民のみなさんの気持ちと響きあって、躍進の時代が始まったのかなと思いますので、ぜひ今度の選挙ではこれを一過性の流れにしないで、本格的な躍進の流れにしていきたいと決意しているところです。
沖縄・新基地移設どうする
翁長新知事に協力、総選挙では沖縄の全選挙区で共同し、裏切った自民党を落としたい
主催者側から「沖縄のメディアからも質問がきているが、先の(沖縄県)知事選で辺野古移設ノーという知事が当選した。にもかかわらず政府側は埋め立て工事を進めている。今後、どういうやり方でこの移設をストップさせていくのか」との質問があり、志位氏は次のように答えました。
志位 新しく知事になる翁長雄志さんが「あらゆる手段を行使して新基地はつくらせない」ということをおっしゃっておられます。
この「あらゆる手段」とは、翁長さんたちと私たちもよく相談しながら進めていきたいと思いますが、たとえばこれまでの政府が提起した計画があります。しかし名護市は厳しく反対していますから、(米軍新基地建設の)一部設計を変えざるを得ないということになってきます。
そうすると、それは新しい知事の権限でストップをかけることができるようになってくる。そういうことも含めて、「あらゆる手段」を行使して名護市辺野古への新基地建設を止めていきたい。
そのうえでも、今度の総選挙が非常に大事になってくる。今度の総選挙は、沖縄では1区、2区、3区、4区、すべての小選挙区で、知事選をともにたたかった政党・会派が保革の枠組みを超えて、共同で候補を支援し、たたかう。全区で協力したたたかいをやって、すべての選挙区で自民党を落とそうと。
自民党は、県民への公約を裏切って、新基地建設に合意したわけですから、裏切った自民党は全部落として、沖縄からなくそうというたたかいが非常に大事になってくる。
ですから、まずは総選挙で勝って、民意を示して、新基地建設を追い詰めて、必ず撤回させたいと考えております。
目標は
全ての比例ブロックで議席増・議席獲得、小選挙区でも議席を
党首討論の最後に各党に対して議席獲得目標について質問され、志位氏は次のように答えました。
志位 候補者全員の当選をめざしますが、11の比例ブロックすべてで議席増・議席獲得をめざし、小選挙区でも必ずとりたいと思っています。